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テクニカルレポート
2015.08.06
JTAGテストによる基板検査
コスト削減と品質向上に役立つ10のヒント(前編)
アンドールシステムサポート(株)

 

1. はじめに

  海外メーカーとの競合が激しいエレクトロニクス業界では、製品検査のスピードと効率化が利益と開発サイクルの短縮に重大な影響を与える。

 今回紹介する『JTAGテスト』は、IEEE1149.1バウンダリスキャンの技術を使ったテスト手法であり、最近増えているBGAパッケージの部品(DDRメモリ、FPGA、マイコン、DSPなど)のはんだ不良によるトラブルを検査する最善の方法である。

 現在、企業で使用しているインサーキットテスタ、ファンクションテスタに、業界スタンダードであるJTAG Technologies社のJTAGテストツール『JTAG ProVision』を組み込む方法と有効活用するためのヒントを紹介する。

 下記のチェックリストに一つでもあてはまる方は、JTAGテスト手法の導入を検討する良い機会となる。JTAGテストを実施して、開発現場、生産現場にフィードバックすることにより、はんだ不良・パターン不良を改善できる。

2. JTAGテストによる基板検査の改善

1. 7つのチェックリスト

 □故障箇所が分からず、BGAを手あたり次第に交換・リワークしている
 □検査装置を導入したが、BGA基板の検査に十分な効果がなかった
 □テストカバレッジを改善したいが、検査コストが負担になっている
 □故障解析できない不良基板があり、基板を廃棄している
 □検査とフラッシュメモリの書き込みを別工程で実施している
 □DDRメモリのはんだ不良箇所が分からない
 □新製品に対して開発期間の短縮の要求が強い

2.ヒント① あらゆる部門で直接的な利益を得られるJTAGテスト

 競合に打ち勝ちプロダクトを成功させるためには、将来を見据えて、製品の開発・製造・検査・故障解析のサイクルを改善できる検査手法を選択することが重要である。正しい基板検査の手法を選択することにより、企業内の設計部門、生産・製造部門、品質管理部門、メンテナンス部門などすべての部門が恩恵を受けることができる。

 全部門が共通で使用できる検査装置には、テストの容易性とテストカバレッジの改善、持ち運びの容易性が求められる。製品基板に実装されている主要部品であるマイコン、FPGA、PLD、DSP、プロセッサ、チップセットは、すでにJTAGテストを実施するためのバウンダリスキャンのロジックが内蔵されているため、図1のように、ほとんどの被検査基板はJTAGテストを適用できる環境が整っているといえる。

図1 プロービングできないBGA基板とJTAGテストの基礎

●国際規格の基板検査手法JTAGテスト

  このテストの仕組みは、1990年に現在のBGA基板を検査する目的として、IEEE1149.1としてJTAGテスト(バウンダリスキャン方式)が国際的に規格化された。JTAGテストでは基板上の主要部品をPCから制御して、通電試験・オンボードプログラミングを実施できる。特別に複雑な回路は必要なく、JTAGの4本の信号(もしくは5本の信号)のみで基板全体を検査できる容易性と広いテストカバレッジが特徴である。JTAGテストは、製品基板上のデバイス内部のバウンダリ・スキャンセルをプローブとして使うテスト手法であり、物理的なプロービングができないBGA部品も検査できる。

 JTAGテストは、製品のプロトタイプ段階から基板検査を実施する環境が整うため、設計者にとっては基板のデバッグ期間の短縮と故障解析の負担を低減できる。また、製造・検査の現場では、検査設備のコストの削減と検査時間の短縮、さらに製品の品質を向上できる。

 以降の章に、生産現場と開発現場で起きている基板検査の問題点と改善策を検討するためのヒントを紹介する。

3.ヒント② ICパッケージの遍歴と検査容易化設計DFT

 ICパッケージは、図2のとおり、高密度化とピン数の増加が進んでいる。1980年代のエレクトロニクス業界では、現在の企業が抱えている検査の問題を予測し、JETAG(Joint European Test Action Group)という団体が発足した。1990年には多くの企業が賛同して、JTAGテスト(バウンダリスキャン方式)を『IEEEStd1149.1 TAP and Boundary-Scan Architecture』として標準化した。エレクトロニクス業界による強力なテスト技術の標準化には、他のテスト手法の多くの欠点を克服する目的があった。

図2 ICの高集積化とJTAGテストの誕生

 

 

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