⑤「インテリジェントファクトリー」との高度な連携による効果
ここまで述べてきたように、当社が誇る最新プラットフォームの『YRシリーズ』は装置個々でも業界トップレベルの性能を有しているが、これらを連携することにより、それらの能力を最大限に引き出すIoT/M2M統合システム『インテリジェントファクトリー(図10)』の最新ソフトウエアプラットフォーム『YSUP(ワイズアップ)』との、連携による効果について紹介させていただく。
「1 STOP SMART SOLUTION」により、ブラックボックスのないM2M連携が可能となり、ダッシュボードによりライン全体の高度な見える化を行うことで、様々な生産サポートを実現している。
① 生産の見える化(図11)
現時点でのリアルな生産状況を見える化する事で、効果的なオペレーションをサポート
② 稼動率の改善
ダウンタイムを低減し、効果的な生産が可能
③ 吸着改善(自動分析)
部品のロスコスト。チョコ停・生産品質を改善
④ 品質の改善(図12)
プリンタ、SPI、マウンタ、AOIの相互連携で、迅速な原因究明とトラブル解決が可能となる
⑤ メンテナンスサポート
最適なタイミングでのメンテナンスが可能となり、作業工数を削減
⑥ 生産結果レポート
月次の生産状況の見える化・データ化が可能
まずは、ライン全体の生産の見える化を行い、その後で詳細内容を分析していくことで稼働率や吸着率、品質の改善に繋げていく。そして生産結果などのレポートも行えるようになる。
しかしながら、せっかく分析のツールがあっても、分析画面を見て何をしたら良いか分からない、そもそも日々の業務で手いっぱいで分析業務に十分な時間が取れない、という市場からの声もいただいているため、当社では次のステップとして「自動分析」機能を開発した。
たとえば、吸着エラーに対して空き時間でソフトが自動的に要因分析を行い、原因となっていそうな箇所がノズル要因なのかフィーダ要因なのか、などを特定することで、生産技術担当者やオペレーターはダッシュボードが指示した通りの作業(たとえば「○○番のフィーダを交換」や「××部品の認識データチェック」など)を行うだけで改善を図ることが可能となる(図13)。
また、それら作業による改善効果についても結果を提示する機能が備わっているので、これらの自動分析による改善を繰り返していくことで、チョコ停の削減による生産数の向上や、吸着不良や印刷不良などによる品質低下の改善が可能となる(図14)。
⑥まとめ
上述のように、ヤマハの「1 STOP SMART SOLUTION」では優れた装置群が高度に連携しあうことにより、高効率で高品質な生産が可能となる。
また、SMTラインで優れた効果を発揮する「1 STOP SMART SOLUTION」コンセプトを更に拡張し、半導体後工程から基板生産後の組み立て工程なども含む製品生産ライン全体へ展開し、その進化を加速させていく。
なお、本編にてご紹介した当社『YRシリーズ』のSMT最新製品は、2024年1月24日から1月26日まで東京ビッグサイトにて行われる「第38回インターネプコン ジャパン エレクトロニクス製造・実装展」の当社ブース(東2ホールE10-2)にて実機展示する。
上記で紹介した「1 STOP SMART SOLUTION」を具現化するSMT装置群の他にも、ここでは紹介しきれなかったハイブリッドプレーサー『YRH10』やSPIの『YSi-SP』なども実機展示を行う。また、半導体後工程に関する製品のパネル展示や、リニアコンベアとスカラロボットによるパワーデバイス組立デモ機の展示を実施する。
- 会社名
- ヤマハ発動機(株)
- 所在地
- 浜松市北区豊岡町127
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