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テクニカルレポート
2023.12.26
新世代『YRシリーズ』完成で更に進化するヤマハ「1 STOP SMART SOLUTION」
ヤマハ発動機(株)
織田 健太郎

③新世代『YRシリーズ』ラインアップのご紹介

新世代の『YRシリーズ』プラットフォームによる、当社の最新機器製品の例を以下に紹介する。

 

(1) プレミアム印刷機『YRP10』(写真1)

世界最高レベルの印刷性能と同時に段取り替えの全自動化を実現し、デュアルレーン生産にも対応する、新世代『YRシリーズ』のクリームはんだ印刷機。

写真1 『YRP10』

 

素材・形状を見直した新型3SRスキージを採用した当社独自の3Sヘッドは、印刷時のスキージアタック角度をサーボモータによって自在に可変可能なため、はんだ充填力を最適コントロールでき、スルーホール印刷にも対応可能。加えてシングルスキージという特性により印刷時の往路と復路での品質差を削減、スキージ交換時の着脱やメンテナンスも容易。また、ステンシルの撓みの影響による往復印刷時の印刷オフセットずれを大幅に低減させると同時に、印刷時に基板とステンシルを密着させて安定印刷を可能とするマスク吸着機能などにより、コアサイクルタイム6 秒の業界トップレベルの高速印刷性能を備えながら、±6σ:±16μm Cpk≧2.0の高い印刷精度(※1)を実現。

(※1 : 当社最適条件下にてCeTaQ 社製測定機による)

さらに、印刷工程の人的工数削減に着目し、「自動プログラム切り替え」や、新たに12オンスシリンジに対応して無停止稼働時間を向上させた「PSC(Print Stability Control)システム」による印刷安定制御などに加え、「プッシュアップピン自動交換」「マスク自動交換」「はんだ自動移載」により段取り替えの全自動化を実現、生産効率の大幅向上と共に人為ミスを防止(図2)。加えて、レーンごとに完全独立運用が可能なデュアルレーン仕様も選択可能とし、多種多様な製品や生産形態にフレキシブルかつ高効率な対応が可能(図3)。

図2 「長時間無停止運転」の実現

図3 レーンごとのデュアルレーン完全独立運用イメージ

 

 

(2) プレミアム高効率モジュラ『YRM20DL』(写真2)

写真2 『YRM20DL』

 

新世代『YRシリーズ』プラットフォームを初採用した当社の主力万能高速マウンタ『YRM20』の上位モデルとして、さらなる高速・高精度化を実現すると共にデュアルレーン生産にも対応した、新型万能高速モジュラマウンタ。

高剛性設計のデュアルレーンコンベアを標準搭載すると共に、2つのレーン上の基板位置や、吸着位置から搭載位置への移動距離などを最適化することにより、2ビーム2ヘッドクラス世界最速レベルの120,000CPH(2023 年2月1日当社調べ)の圧倒的な搭載能力と、±25μm(Cpk≧1.0)の高精度実装を同時に実現、さらに高精度モードでは±15μm(Cpk≧1.0)の超高精度を達成し、0201サイズ極小チップ部品実装や峡隣接実装に対応する。

搭載ヘッドは、超高速ロータリ型「RMヘッド」と、「1 ヘッドソリューション」コンセプトを高次元で実現した高速汎用インライン型「HMヘッド」、部品対応力を重視した異形対応インライン型「FMヘッド」の3 種類のヘッドから自由な組み合わせで選択が可能(図4)。

図4 『YRM20DL』ヘッドバリエーション

 

 

また、進化した「ノンストップ供給」や「まとめ補給」によりダウンタイムを大幅に削減した、自動トレー供給装置「eATS30」(写真3)と、コストパフォーマンスが高くコンパクトな、自動トレー供給装置「cATS10R」から、トレー部品数量や予算などに合わせて自由な組み合わせで最大2 台まで装備が可能。

写真3 『eATS30』

 

加えて、様々な部品データ作成支援機能により、新規生産時の垂直立上を強力にサポートする。

 

 

(3) 3Dハイブリッド光学外観検査装置『YRi-V』(写真4)

写真4 『YRi-V』

 

2D検査、3D検査、4アングル画像検査を1 台に搭載する汎用性と共に、高速・高解像度のカメラを搭載した新開発検査ヘッドや高性能GPUの採用により、業界最高レベルの検査能力を実現した、新世代『YRシリーズ』のハイエンドクラス3D光学外観検査装置。

3Dプロジェクタの刷新や、従来の分解能12μm、7μmに加えて、分解能5μmレンズの新設定により、計測精度と計測レンジを従来機比2倍に向上させ、0201極小チップ部品や狭隣接部品に対して、部品の死角に影響されない高解像度撮像による高精度かつ高速な3D検査が可能であると同時に、これまで難しかった鏡面部品の傷・割れ・欠けへの対応を強化し検出力を向上。

また、デュアルレーン生産ラインや最大L610mm(OP:L1,200mm)×W610mmの大型基板にも対応。

さらに、機能の自動化やAIディープラーニングの採用などにより、検査データの作成・変換・チューニングを簡易化・スキルレス化し、扱いやすさを大幅に向上させた(図5、図6)。

図5 AI採用の例1 部品ライブラリ自動マッチング

図6 AI採用の例2 新規部品おまかせデータ作成

会社名
ヤマハ発動機(株)
所在地
浜松市北区豊岡町127