ビジネスコミュニケーションを加速する
BtoB ニュース専門サイト | ビジコムポスト

テクニカルレポート
2024.02.26
台湾のプリント配線板業界を探る
青木 正光
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構
青木 正光

④台湾の主要プリント配線板メーカーの生産高推移

台湾電路板協会主催のTPCA Showの開催について、写真11に示すように現地の業界新聞や経済新聞の4誌で大きく報道されていた。

写真11 TPCA Showを報道する現地の新聞

 

TPCAでは、主要のプリント配線板メーカーの生産高を毎年公表している。その中で過去の公表データも体系化してTop30の生産高(台湾生産分+中国生産分)の5年間の推移を示すと表3のようになる。

表3 台湾のプリント配線板の生産額推移(台湾生産分+中国生産分) (TPCA)

 

売上高が約227億台湾ドル(約1,000億円)を超える企業が10社も存在し、台湾企業の躍進ぶりを示していることが分かる。1社で6,000億円以上も生産しており、これは日本の全プリント配線板企業の生産高に匹敵する。台湾の躍進ぶりが分かる。円に換算したのはその年のIMFの換算レートを使用した。

なお、生産高トップのZD Techの生産高には、プリント配線板のみならず実装した製品も参入した形で公表しているので生産金額は大きくなっていると推定される。

台湾のプリント配線板の9年間の全プリント配線板メーカーの生産額合計の推移を示すと図3のようになり、すでに約3.7兆円の規模となっている。

図3 台湾のプリント配線板の9年間の生産高推移(TPCA)

 

ところで最終製品となるスマートフォンの機能拡大に伴って、電池容量を上げるために電池搭載用面積を確保する傾向にある。そのためプリント配線板を高密度・高精細にして面積を縮小するようにし、確保した面積分を電池のために使うようになった。

さらに半導体パッケージ基板の需要増もあって高精細のプリント配線板の需要が増えてきている。これらに対応するためにプリント配線板は、すでに導体幅/導体間隔(L/S)=30/30µm以下の高精細の世界に突入する時代となり、材料の高機能化や製造装置の高精度が進展するとともにサブトラクティブ法の製造方法からセミアディティブ法(SAP)や変形セミアディティブ法(MSAP)が採用される時代となった。

また、移動体通信は4Gから5Gの時代となり、移動体通信のみならずあらゆるものと接続する情報通信時代が到来し、それに伴って使用される周波数も高周波側に移行しつつある。

このような時代の到来により、プリント配線板用材料を含めての新たな取り組みが必要となり、銅張積層板メーカーのTUC、ITEQ、EMC、Ventec、Nan Yaなどが高周波対応材料や高速対応材料のラインアップ化を図っている。

また、Amazon、Dell、Facebook(Meta)、Google、Microsoft、HP、Inspur、Lenovo向けのサーバは台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)のHon Hai、Inventec、MiTAC、Quanta、Wistron、Wiwynnなどが生産している。

サーバ向けに高速対応のプリント配線板の取り組みも進展しており、誘電正接の低い銅張積層板の採用が検討されており、すでにTUC、ITEQ、EMCが高速伝送向け材料では世界シェアの上位3位に君臨している。すでに情報分野ではデータセンターの普及・拡大に伴い、特に最近はAIサーバの進展があり、さらなる展開がある。

台湾の戦略産業として「6大核心戦略産業」を想定して「情報デジタル関連産業」、「5G、DX、情報セキュリティ産業」、「バイオメディカル産業」、「国防戦略産業」、「グリーン電力と再生可能エネルギー産業」、「民生関連産業」の6分野の重点化して推進する計画となっており、半導体やプリント配線板関係が重要な位置付けとなるとみられている。半導体パッケージ基板ではUnimicron、Kinsus、Nan Ya PCBなどが高い市場シェアを持っている。

今回のTPCA Show2023では、ユニマイクロンのブースは正面入口の入った所(写真5)に構え、パッケージ基板の技術ロードマップを2025年までを見込んで、例えばコアレスのフリップチップBGA(FC-BGA)用パッケージ基板のビルドアップ層の回路のL/Sは5/5μmの目標にしている。その他、多くの技術ロードマップを提示していて顧客に訴える方法は良い方法と思った。

写真5 Unimicron

会社名
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構
所在地