③台湾のプリント配線板市場推移
TPCA Show2023の会場には、台湾電路板協会(TPCA)が市場情報(Market Information)としてパネルで紹介しており、業界動向を知る上で参考になる資料でもある。市場情報は世界市場から台湾、日本、韓国、タイ、ベトナムなど市場推移を分かりやすい図表で紹介していた。
台湾のプリント配線板メーカーの多くが中国に進出して工場を設立して台湾と中国の両方で生産している。まずは台湾のプリント配線板市場について紹介する。
台湾のプリント配線板の生産は台湾国内の生産分と中国での生産分を合計したものを示すと図1-1のようになる。リーマンショック後の2009年は落ち込んだが回復し、2014年に踊り場を迎え、2016年は需要減で減少に転じた。2021年は293億米ドルで、2022年は303億米ドルの生産規模となっており、台湾は世界で第1位のプリント配線板の生産国となっている。
2023年は245億ドルまで落ち込むとの見込みであり、2024年は少し回復して258億ドルが予測されている。
図1-2は台湾生産(下段)と中国生産(上段)を区別してグラフにしたものである。1997年頃から中国での生産が始まり、以降、年々増加していることが分かる。このことは中国に進出し、次第に増強し、台湾のプリント配線板市場は着実に成長していることが分かる。
図2のグラフは中国での生産比率を、1997年以降比率で示したものである。すでに台湾での生産を上回り、中国での生産は62.4%まで上昇している。つまり中国での生産が多くなっている。
なお、台湾では、中国での生産を大陸での生産と称している。
プリント配線板の生産地域で生産国に関係ない状態で生産額を示すと中国がトップの生産国となる。台湾、日本、欧州のプリント配線板企業が中国で生産しているため、その生産金額も含めるため中国が世界一の生産地域となる。
■ 台湾のプリント配線板メーカーの海外進出
表1に示すように1990年に台湾政府が中国への貿易と投資を条件付きで認可したことから中国進出が始まり、中国大陸投資許可品目を段階的に拡大し、その中に「プリント配線板」も対象となった。つまり台湾は早くからプリント配線板の生産を中国で手掛けるようになった背景がある2)。
2000年代に台湾の多くのプリント配線板企業が中国に工場を建設し、今や台湾国内よりも中国で生産する規模の方が大きく、中国生産比率は図2で示したように年々、上昇し、直近では62.4%となっている。
約25年前の中国生産比率は約10%に過ぎなかったが2008年までは急激に中国生産比率があがった。2008年以降の中国生産は微増の傾向となっており、2008年には中国生産が台湾国内生産を上回った年でもある。
しかし、米中貿易摩擦が長期化する中で、台湾製造業の中国から台湾への生産拠点回帰投資と中国以外の海外生産も活発化してきている。
台湾のプリント配線板企業の海外進出先は主に中国大陸で、多くのユーザー企業の拠点は中国の華南地区と華東地区にあり、それに対応しての進出がうかがえる。表2に示すように確認できたものとして25社が中国に進出し、特に中国の「華東地区」に集中しており21社が進出し、華南地区はは9社、華中地区には4社、華北地区には2社が進出している。
他の国では「タイ」に9社が進出している。タイには、さらに進出メーカーが今後増加することが想定されている。プリント配線板メーカーのみならずプリント配線板に使用する銅張積層板メーカーも中国以外の海外での生産を検討している。
- 会社名
- 特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構
- 所在地
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