①はじめに
プリント配線板の生産額では世界第1位に位置付けされるまでになった台湾の最近のプリント配線市場について台湾電路板協会(TPCA=Taiwan Printed Circuit Association)が主催するTPCA Show2023を見学し、台湾の業界動向を探ってみた。
台湾は半導体産業とともにプリント配線板産業も躍進しており、新型コロナも解消方向なので実態を調べるために5年ぶりにTPCA Showを見学し、業界動向を探った。その概要について紹介する1)。
②TPCA Show2023の概要
第24回となる台湾電路板産業国際展覧会(TPCA Show)は、2023年10月25日(水)〜27日(金)の3日間、台北南港展示館1館(写真1)で開催され、同時にiMPACT(International Microsystems, Packaging, Assembly and Circuits Technology Conference)も開催され論文が発表された。
日本の羽田空港を利用して台湾の松山空港に到着すれば、文湖線の地下鉄で乗り換えなしで台北南港館駅まで行ける。朝の早い羽田空港からの便を利用すれば午前中に松山空港に到着するので、午後の半日の見学が可能である。
地下鉄を利用するのに交通ICカード(例えばEasyCard)を持っていてチャージしていれば、自動改札に交通ICカードをかざすだけでよく、簡単に利用ができる。5年前にTPCA Show見学の時に小銭を用意するのは面倒なため交通ICカードを作って利用していた。今回、そのカードも問題なく利用することができた。交通ICカードのチャージは、駅のみならずコンビニエンスストアでも可能である。
10月25日(水)の初日の開場前にオープニングセレモニーが開催され、太鼓の演技が紹介された後、各国からの出席者を紹介して、李長明TPCA会長及び3名の挨拶があり、その後、関係者が壇上に集まりテープカットして10時に開場となった(写真2)。
事前に登録手続きをしていれば、QRコードを自動機に読み込ませると入場バッジが印刷されて出てくる。海外からの訪問者でもインターネットで事前に手続きしているため簡単に入場バッジを得ることができ、10時以降であれば入場ができた。
5年前にTPCA Showを見学したがすでに同様なQRコード方式で簡単に入場ができた。この時、簡単に入場できたため、日本より進んでいる印象を受けた(写真3)。
日本もやっとQRコード方式に変わってきているが、主催者によってはスタッフが数名、並んで登録を受け付ける古典的な非能率な方式で実施している例もまだ見受けられる。
展示会場のレイアウトは、大まかに「プリント配線板関係」、「製造装置関係」、「検査装置関係」、「材料関係」ごとに配置され、分かりやすいように写真4に示すように色で区別していた。今回、1,386のブース数となっており、プリント配線板関係の展示会であるもののプリント配線板メーカーの展示は10社程度で少ない感じを受けた。台湾の最大手のユニマイクロン(写真5)は分野別の技術ロードマップのパネルを展示し、中国のプリント配線板メーカーのASKPCB(写真6)ではサーバ用多層プリント配線板(写真7)が展示され、注目された。展示は、「製造装置関係」と「材料関係」分野が大半を占めていた。ドリルマシーンメーカー(写真8)や銅張積層板メーカー(写真9)などが展示されていた。
なお、TPCAではプリント配線板関連の参考書を会場で販売していた(写真10)。
日系材料メーカーが台湾市場を狙って銅箔メーカーの台湾銅箔(三井金属)や銅張積層板メーカーのレゾナック、三菱ガス化学、利昌工業、日本ピラーなどがTPCA Show2023で展示PRに努めていたのが印象的であった。
次回のTPCA Showは、2024年10月23日〜25日の3日間、台北南港展示館1館で開催される予定である。
- 会社名
- 特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構
- 所在地
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