3次元実装の新しい考え方
図8 『モジュール』の概要
図9 『モジュール』による統合検証
前項で述べた3次元実装機能に加えて、3DICにおいて各デバイスの相互における接続検証を行う必要性から、基板データを高さや位置を指定して、立体的な組み合わせができるように『モジュール』という新たな属性を開発した(図8)。『モジュール』の特徴は、銅箔面が親の銅箔面と接触すると接続認識がとれ、その状態から配線情報を抽出し相互の接続リストが作成できる。プリント配線板上にチップを実装したパッケージを配置し、配線経路や接続の整合性を確認できるので、たとえば、パッケージ内でGNDを分けて設計されたものをプリント配線板上で正しく接続されているかの、統合検証を行うことが可能である(図9)。
接続認識がとれることにより、ある特定の配線経路を3Dviewerに表示させたり、IGESファイルに出力したりすることもできる。したがって、別々に設計された基板データの、特性を得たい配線経路を3次元の電磁界解析ツールへ渡すことが可能である(図10)。
図10 配線経路モデル抽出
図11 異なった構造の複数モジュール配置
また、今まで2.5次元では再現ができなかった、異なった構造のパッケージを複数プリント配線板上に配置できる。さらに、製造プロセスの違う基板データも組み合わせることができるので、データの一元管理が強化された(図11)。
図12 ダイレクト・インタフェース
現在、製品の仕様に基づき各デバイスの個別設計が行われているが、製品の高性能化、低価格化、商品サイクルの短期化から、データを共有し相互の連携を取った設計手法が注目をあびている。『START』は、新規設計から製造の手前に至るまで、様々なデータを保持及び出力することができる。たとえば、チップ・パッケージ・ボードを同一データ上で設計や編集が可能になっている。また、信号伝送の高速化が進みCAE(Computer Aided Engineering)ツールの活用が盛んに行われている。また、コスト削減という観点から、試作回数を減らす目的で益々この分野が重要視されている。『START』は電磁界解析ツールへのインタフェースとして、ダイレクト・インタフェースを採用している(図12)。ダイレクト・インタフェースとは、各解析ツールの生データをCAD側から直接出力することである。一般的なインタフェースは、CAD側から何らかの中間ファイルを出力し、解析ツール側で変換して取り込んでいるが、CAD側から生データを直接出力することにより、今までかかっていた変換の工数を削減することができる。
しかし、そこで問題になってくるのは、各ツールや製造装置とのインタフェースである。生データでやり取りができるのが理想だが、オープンフォーマットの考え方をもっているツールは少なく、標準フォーマットの出現を望む声は多いが、実現するには多くの課題がある。そこで当社は、ガーバやDXF、GDSⅡなどの製造用データに着目している。その理由は、製造用データには、必ずものを作るために必要な形状や情報が存在しているからである。100%の互換を考えず、取り込み後の行いたい内容を絞れば、製造用データ+様々なリストで、十分なインタフェースをとることができる。『START』には、VIAや部品など電気系CAD特有の属性を付加する機能をもっており、付加した状態から配線情報を抽出し解析モデルを作成することができる。さらに、CAM要素の生成・一括編集機能を活用すれば、精度の高いモデルを出力することが可能である(図13)。
- 会社名
- (株)ファースト
- 所在地
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