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テクニカルレポート
2014.07.29
身近に見る環境対応の実態 その1
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部

1.リデュース

(1)ペットボトル
 飲料業界では、廃ペットボトルから新品のペットボトルを作る「ボトルtoボトル」が拡大しつつある。写真11に示すようにボトルの軽量化により樹脂使用量を30~40%の削減した事例がある。しかも、石油由来の樹脂の量を削減するために植物由来の素材を5~30%混合して使用している例が出てきた。植物由来樹脂であれば、持続可能であることからさらなる用途拡大を期待したい。

写真11 植物由来の素材を使ったペットボトルと軽量化の取組み

写真12 表示義務があるPETを示すマーク

 なお、ペットボトルはPET(ポリエチレンテレフタレート)の熱可塑性樹脂で作られており、PET製ペットボトルは『再生資源の利用の促進に関する法律(リサイクル法)』によって、分別収集が正しく行われるように写真12に示すような識別マークの表示が義務付けられている。このマークは米国プラスチック産業協会のコードシステムに準拠している。
 ペットボトルの再利用方法としてたとえば4L入りの焼酎用のペットボトルは、空になれば非常用飲料水の保管用としても使え、ときおり新しい飲料水を交換する場合にも、古い水を庭などの水撒きに使用することもできる。貴重な資源としての水もうまく活用したいものである。

 

写真13 使い捨てプラスチックのカップと受け用保持具

(2)使い捨てプラスチック・カップ
 プラスチック・カップは使い捨てされることが多いため、プラスチックの量を極端に減らしてわずか50μmの厚みにしたものがある。あまりにも薄いため、お茶などを入れると持つためにカップを保持するための専用受け用保持具が必要となる。使い捨てのためなるべく薄くして素材の使用量を減らし、強度が弱いのは受け用保持具で補うことを考えたのはいいアイディアである。写真13は中国・青海省で見かけた事例である。

(3)レジ袋
 レジ袋を1度きりの使用ではなく、繰り返し利用する案が提案されて実践されている。レジ袋は竹で作られていた果物入れの代わりに登場し、日本で商品化されたもので、今や世界的に使用され、無料で配布されるために量も増加する一方でもある。その処分を巡って削減運動が展開されている。レジ袋を使用しない場合には、2円引きにするスーパー (西友、いなげや)などが現れた。あるいは、有料 (6円/袋)にして、少しでもマイバックを持参させるようにしているスーパーもある。東京都杉並区では、2000年10月にノーレジ袋の日の条例を制定し、マイバック運動を開始し、2002年には、レジ袋1枚につき5円の税金を課す『レジ袋税(すぎなみ環境目的税)条例』を制定して、レジ袋をいかにして削減するかの施策として採用された。

(4)雨水の利用

写真14 東本願寺の雨水タンク

写真15 こうちエコハウス

 貴重な水を少しでも使わないようにするために雨水を利用する事例がある。写真14は、雨水を溜めて花壇などの散水用として利用する例である。写真15は、家庭でも普及できるようにするために雨水タンクを設置して普及活動を実施している「こうちエコハウス」の事例である。大規模な事例としては両国国技館、最近では2,635トンの雨水タンクを設置している東京スカイツリーがあり、雨水を有効に活用して飲料水の削減に寄与している。 

 

 

 

 

 

会社名
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部
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