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テクニカルレポート
2018.12.07
次世代洗浄の新たな課題 洗浄方法の適正化
洗浄技術も進化が問われている
ゼストロンジャパン(株)

 

5. ソルダリングと洗浄の今後

 

 一昔前では考えられなかったIoT技術や自動運転技術などは、高信頼性が要求されており、特に車両関係のデバイスには、熱サイクル耐性・安定的な対候性が必須となってきている。ソルダペーストの開発もそれに伴い、より性能の高い製品が市場からは要求されているが、日本は高い技術力で乗り越え、なおかつ高性能な「無洗浄ペーストの活用」でそれらを成し遂げてきた。反面、センサ部品やカメラモジュールなど、完全な「ゼロ残渣」を求める製品に「洗浄」は必須となっており、多くの無洗浄ソルダペーストは、洗浄の壁をより高くしてしまった。

 どのような分野にもいえることではあるが、性能を高めるということは、従来とは異なった物質を使用したり、作成方法の相違が生じ、何かを向上させると、他の性能が低下してしまうことはよく見受けられる。はんだにおいても、特性向上と引き換えに、原則洗浄性は悪くなってしまう傾向にあり、はんだ特性と洗浄性はトレードオフな関係にあるといえる。はんだ特性の進化と共に、洗浄に対する認識、洗浄技術も変革していくことが、必要ではないかと考える。洗浄だけに限らず、国際競争が激しさを増す中で、日本ならではの技術を有しつつも、新しい技術を柔軟に享受し極めることが、加工貿易国「日本」の各分野に求められているのである。 

 我々は洗浄液メーカーとして、これらの課題に応えられるよう取り組みを怠ることなく、金属塩や無洗浄ペーストをはじめとする高難度洗浄の研究を引き続き行っていきたい。難解な洗浄でこそ、我々洗浄液メーカーの力量は試されることとなり、業界全体の洗浄技術発展に寄与できるものと考える。

 当社は様々な業界の方々に協力していただいているが、その一環の技術発表として、2019年1月に開催されるインターネプコンジャパンにおいて、金属塩の洗浄に関する技術報告、清浄度分析手法、スプレー洗浄機の展示をメイン事項として展示させていただく予定である。引き続き、洗浄技術の開拓に取り組ませていただくためにも、当日は多くの皆様方のお声を頂戴させていただき、「洗浄」を考える足掛かりとしていただけくことができれば幸いである。

会社名
ゼストロンジャパン(株)
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