遠赤リフローは、エアリフローと比べ、温度上昇が早いためプリヒート時間があまり変化せず、はんだ付け時間をのばすことができた。
エアリフローは、プリヒート時間が10秒増えて、推奨プリヒート時間を大きく超えている。下部ヒータを上げることで基板自体が温まったが、熱風を直接プリント基板にあてているため、表面から少しずつ温度が上昇して、部品とプリント基板の間のはんだ付け温度が確保されるまでにプリヒート時間が長くなる。
最大温度の上昇は、遠赤リフローが+3℃、エアリフローは+5℃だった。
(2)下部ヒータのみさらに温度を上昇させた(+中)
表5 下部ヒータ+中 対比表
(a)X線撮影によるボイド量の確認(表5)
同じ部品を6個実装して、部品端子裏とプリント基板の間に発生したボイドの量を数値化して比較した。
はんだ種Aは、ボイド量は多いが、遠赤リフローでは増加し、エアリフローでは減少した。はんだ種Bは、ボイド量が大きく減少した。はんだ種Cは、ボイド量が大きく変化したが、エアリフローのボイド量の減少率は低い。
(b)ボイド発生量の変化と温度プロファイルと検証(表6)
表6 温度測定結果(下部ヒータ+中)
どちらのリフローもプリヒート時間が短くなり、はんだ付け時間が長くなっている。特に部品とプリント基板の間の温度が推奨規格に近くなった。
エアリフローの測定ポイントEは、はんだ付け時間が長くなりすぎているので、はんだのでき映えが悪くなる可能性が高い。
遠赤リフローの測定ポイントBはプリヒート時間が少し長いが、はんだ付け時間が推奨規格に収まっている。
最大温度の上昇は、遠赤リフローが+3℃、エアリフローは+10℃だった。
(3)遠赤リフローの下部ヒータのみさらに温度を上昇させた(+大)
エアリフローでは設定できなかったが、遠赤リフローでさらに下部ヒータの設定温度を上昇させた。
(a)X線撮影によるボイド量の確認(表7)
同じ部品を6個実装して、部品端子裏とプリント基板の間に発生したボイドの量を数値化して比較した。
はんだ種Aは、ボイドが大量に発生した。温度上昇(+中)に比べてボイドが減っている。
はんだ種Bは、ボイド量が温度上昇(+中)に比べて微増したが、誤差の範囲だと判断する。
はんだ種Cは、ボイド量が、温度上昇(+中)に比べて微減したが、誤差の範囲だと判断する。
(b)ボイド発生量の変化と温度プロファイルと検証(表8)
表8 温度測定結果(下部ヒータ+大)
はんだ種B・Cに大きな変化はなかった。測定ポイントEが推奨規格を超えているので、他の面実装部品のはんだ付状態に悪い影響を与える可能性がある。最大温度の上昇は、下部ヒータ(+中)に比べ、遠赤リフローが+1℃上昇した。
- 会社名
- (株)坪田測器
- 所在地
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