3.フィルタがフラックスを的確に捕集し滴下による不良を防止
前記の特徴のうち、まず「④ 基板へのフラックスの滴下を抑制(フラックスの炉内内部処理構造の採用)」について、以下に詳述する。
通常、リフロー炉の冷却部、及び入口側には、フラックスが蓄積する。そしてこのフラックスが滴下することによって、生産基板が汚れ、不良となってしまっている。そのため定期的な清掃が不可欠であるが、1週間もすると図9のように汚れてしまうので、清掃は頻繁に行わなければならない。
そこで本製品には特殊フィルタを採用しており、炉内に蓄積したフラックスの滴下を防止する。
本フィルタの耐熱温度は400℃で、装着することにより上部ノズルから垂れるフラックスを捕捉可能。フラックスが滴下しても、その捕捉限界まではフラックスが本フィルタを通過することがない。
また、フラックスを捕捉した状態であっても気孔率95%以上を実現。取り外しも簡単で、洗浄機で繰り返し、清掃することができる。
このフィルタが採用しているのは金属多孔質焼結体。空隙率90%のオープンセル構造で、SH径により空孔径を変えた金属多孔質焼結体を作製、初期圧力損失を評価するとともに炭素微粒子を用いて捕集性能を実現している。隣接する空孔間が空孔よりも小さい連通孔で結ばれ、セル壁の面積が大きく、さらにセル壁が凹凸の大きな金属粉末の焼結構造である多孔質構造で、セル壁をもたない細く滑らかな骨格の3次元網目構造であるウレタンフォームに金属めっきをして製作された構造と比べて捕集性能が優れる。これは、炭素微粒子を捕集するセル壁の面積が大きく、また空孔内で気流が大きく乱れるために流体がセル壁と接触する頻度も高く、さらに、いったん捕集された炭素微粒子も安定してセル壁に保持されるためであると考えられる。
空孔径が小さいほど捕集率は高くなるが、捕集率の高い多孔質構造は、同時に初期圧力損失、及び捕集量の増加にともなう圧力損失の上昇が大きい。
フィルタ形態面ではフィルタをコーン形状にしてフィルタ面積をフォルダの通風断面への投影面積に対して増加させることによって、捕集率を下げることなく初期圧力損失を低減し、さらに捕集量の 増加にともなう圧力損失の上昇を抑えることができる。
また、本フィルタは簡単に取り外すことができ、洗浄機で繰り返し清掃が可能である。なお、フィルタの素材は耐熱性があるが熱による変形が生じるため、変形防止ケースで対応している。
図10は、同フィルタを取り付けた効果と、使用後1週間の様子である。
4.シングルゾーンのデュアル化を実現
次に、「⑪ シングルゾーンのデュアル化」についてご紹介する。
当社がラインアップするシングルリフロー炉を、「左⇒右」/「右⇒左」それぞれの炉を接続することで、デュアルリフロー炉に変化可能。生産使用工程に応じてシングルレーンとデュアルレーンと変化できる。個別温度プロファイルの測定が可能である他、片側のみの生産も行える。
- 会社名
- Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社
- 所在地
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