ビジネスコミュニケーションを加速する
BtoB ニュース専門サイト | ビジコムポスト

テクニカルレポート
2019.01.11
均一な加熱とフラックスの滴下の抑制を実現した、 新リフローはんだ付け装置

 

1.はじめに

 当社ではこのたび、窒素対応リフローはんだ付け装置『STAR-3312N』を発売することとなった。

 そこで本稿では、実験によって得た結果を踏まえつつ、本製品が有するそれぞれの特徴をご紹介する。

 

2.『STAR-3312N』の特徴

 窒素対応リフローはんだ付け装置『STAR-3312N』(図1)は、遠赤外線の効果を最大限に活用したことにより、熱容量が大きな基板や部品においても安定的なぬれ性を実現する製品である。

 

 以下に、同製品の特徴を列挙すると以下のようになる。

① 遠赤、温風による加熱方式を採用(選択、併用が可能)(図2)

 

 →吹き出しノズルに遠赤効果剤を塗布し、ノズル内にヒータを内蔵してノズルを熱することで温風を発生、ノズルが温風より高い温度となるため遠赤効果が大きく、遠赤の力によって基板を熱し、温風を併用して基板を加熱することで遠赤と温風の加熱力が熱負荷の大きな基板や部品も均一に熱することができる。

② 熱容量が大きな基板や部品においても、安定したぬれ性を  確保

③ 低風速を実現(FPC対応、省エネ)

④ 基板へのフラックスの滴下を抑制(フラックスの炉内内部  処理構造の採用)

⑤ 冷却部のフラックス処理

 →冷却ノズルを2重構造にすることで、生産基板へのフラックスの滴下を抑制するような冷却ノズル噴射穴構造を備えている(図3)。

 

⑥ 密閉構造(炉内パッキン温度安定構造)

 →パッキン内にエアを導入して温まったエアを工場排気として排出。パッキン内のエアが外気温度に保たれるため、パッキン本体の温度が上昇しなくなる(250℃雰囲気で180℃)。炉内密閉を長い間、保持できる。

⑦ 回転部分に特殊構造を採用(図4)

 

 →炉内と炉体の密閉を金属のすり合わせで行うため、熱寿命がない。

 →1年に一回程度、耐熱グリスを補給するだけで、密閉状態を保持できる。メンテナンスのみで長期使用が可能。

⑧ リフローのトップ温度から冷却へのタイムラグがない(図5)

 

 →リフローピーク部に特殊冷却ノズルを設けており、温風ノズルよりも近いところで基板冷却を行う。生産が窒素仕様であれば窒素で冷却、大気仕様であれば工場内の空気を噴射。噴射風は冷却部の横から排出される。

 →リフローピークから基板の冷却をコントロール可能。はんだの溶解後、凝固温度217℃までをコントロール可能としている。

⑨ 炉体ゾーン温度コントロール不可部分なし

⑩ メンテナンスフリーな装置内蔵冷却用水冷装置を採用(図6)

 

 →専用ラジエータにより水温を低下させる。冷却水にはクーラントを使用し、さびなどからも防御する。また、炉内から戻る50℃前後のクーラントを30℃前後に冷却する。メンテナンスはクーラントの補給のみである。

⑪ シングルゾーンのデュアル化(図7)

 

⑫ 炉内フラックス除去用配管なし

 →炉内フラックスは循環中にノズル表面で処理。フラックス除去機構を冷却部装置内に装置することで接続パイプをなくしている。

⑬ 炉体断熱ジャケットを採用

 →炉体本体に断熱材を装着し、その断熱材を保持するマジックテープなどを使用し、炉体を包み込むジャケットのように製作した断熱保護材を装着する(図8)。

 

 →炉体を包み込むため、電装部品、センサなどは雰囲気温が下がり低温になるため、長い時間使用できる。また、ジャケット厚を増やすことも可能で、断熱効果も向上できる。

⑭ 窒素削減システム

 →生産中の余分な(生産時不要(待機時など))な窒素をコントロールし、窒素使用量を削減する。

⑮ 生産時および待機時の電力消費量削減、窒素使用量削減

⑯ 瞬間の停電にも強い機構

会社名
Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社
所在地