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テクニカルレポート
2025.08.22
人的依存から脱却する部品管理 〜ISMシリーズによる実践的ソリューション〜
JUKI(株)
折原 俊夫

④ラインアップ(図4)

図4 ISMシリーズラインアップ

 

4.1 自動倉庫ISM3600

ISM 3600は、部品保管の効率化と省スペース化を追求した高性能な自動収納システムである。収納ケースの高さは8mmから最大88mmまで柔軟に調整可能であり、様々なサイズの部品に対応する設計となっている。本機には、1つのケースに2リールを収納可能なダブルリールケースを採用しており、最大で3,600リールの保管が可能である。これにより、限られた設置スペースでも高密度な収納を実現し、保管効率を大幅に向上させる。さらに、最大54リールの一括入出庫に対応しており、部品の出し入れ作業を高速かつ正確に行うことで、作業時間の短縮と運用効率の向上に貢献する。

 

4.2 拡張ユニットISM3900

ISM3900は、ISM 3600の背面に連結可能な拡張モジュールであり、最大収納数の拡張を可能にするユニットである。部材の連続入庫および連続出庫に対応しており、供給時の時間ロスを発生させない設計となっている。操作はISM 3600から一体的に行うことができ、複数ユニットの管理においても高い操作性を維持する。収納ケースは8mmから88mmまでの高さ調整が可能であり、多様な部材サイズに柔軟に対応する。保管スペースの効率的な活用を実現し、限られた設置環境においても最大限の収納力を発揮する。また、MSD(湿気感受性デバイス)管理についてもISM 3600と連携して同時に行うことができ、品質管理の面でも優れている。

 

⑤新製品のご紹介

ここからは、このたびお客様のニーズにお応えするために、新たに発売する製品について記載するものである。

 

5.1 インカミングマテリアルステーション 2.0

インカミングマテリアルステーション(Incoming Material Station : IMS)2.0は、リール部材の受け入れ作業が効率的になり作業ミスを削減することができる。従来はリールラベルを2〜3個スキャンし作業者がPC入力しラベルを発行していたが、IMSではカメラ認識で複数コード一括認識し、必要な情報の抽出や自社品番変換などを自動で実施するので受け入れ作業の効率化が実現する。また、リールごとのシリアル番号採番やトレーサビリティとして受け入れ画像の保管や貼り間違い防止機能など、受け入れ作業に特化したステーションである。

 

5.2 ISM3600 F.A. 

ISM3600 F.A.は、ISM3600の進化版として開発されたモデルであり、フロント入出庫扉にAMR(自律搬送ロボット)が直接接続可能な構造を採用している。ISM側およびAMR側の双方にコンベアを搭載しており、従来の背面接続方式に比べて、より効率的な入出庫作業を実現する。

実際の動きとしては、AMRが接近すると自動ドアが開き、コンベアによって部品が自動的に搬送されることで、入庫および出庫がスムーズに行われる。これにより、受け入れエリアからの自動入庫、出庫後の段取りエリアや生産ラインへの自動搬送が可能となり、部品管理工程のさらなる自動化と省人化に貢献する。

 

5.3 スマートラックモバイル

スマートラックモバイルは、管理ラベルをスキャンして棚に置くだけのシンプル操作で、誰でも正確な在庫管理が可能な保管ラックである。

フリーロケーション管理にも対応し、キャスター ・ バッテリ ・ Wi-Fi通信により設置場所を選ばず柔軟に運用できる。出庫時にはLEDランプで対象部品を通知し、取り間違いを防止。仕切り位置の変更も容易で、収納物に応じたサイズ調整が可能であるため、様々な部品に対応する。受け入れテーブルや自動倉庫、外棚、上位システムとの連携も可能で、ISM管理システムによる一括管理に対応。複数台の連携や生産ラインでの一時棚としての活用も可能である。

会社名
JUKI(株)
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