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テクニカルレポート
2023.04.19
プリント配線板技術:世界の電子回路工業会/協会の現状
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構
青木 正光

⑤インド  <IPCA(インドプリント回路工業会)>

インドプリント回路協会は1985年に、プリント回路産業と関連産業全般の利益と福利を促進することを目的として、数人の主要なプリント回路関係者がボンベイ(現在のムンバイ)で会合したのが始まりである(図2)。 

今日、プリント回路産業の拡大に伴い、会員数は 300 人以上になり、特に電子回路設計関係の教育に力を入れている。

図2 IPCAのロゴ

 

⑥中国  <CPCA(中国電子電路工業協会)>

中国電子電路工業協会(CPCA=China Printed Circuit Association)は1990年6月に設立された。CPCAは電子回路板、銅張積層板、原材料、電子製造サービス企業および関連研究機関によって設立された(図3)。

協会は9つの第2レベルの支部をもち、現在1,000以上の会員ユニットがある。 業界の展示会としてCPCA Showを3月開催している。

図3 CPCAのロゴ

 

⑦台湾  <TPCA(台湾電路板協会)>

協会の原型は、全国の数百のメーカーの力を組み合わせた業界間のイニシアチブによって「台湾電路板協会」が1998年3月に設立された。 設立にあたってJPCAが側面から支援した(図4)。

図4 TPCAのロゴ

 

専門家を訓練し、人材を育成するために2005年に「台湾回路基板産業大学」(PCBアカデミー)を設立しており、国内回路基板産業の団結を象徴し、様々な資源を最大限統合し、再生し、産業全体の競争力を高めることで動いている。

台湾のプリント配線板の生産額を毎月、TPCAが公表しており、たとえば、2022年の37社の生産高は、以下のサイトで閲覧することができる(https://www.tpca.org.tw/Message/MessageView?id=12321&mid=843)。

業界の展示会としてTPCA Showを台北で毎年、10月に開催している。

 

⑧香港  <HKPCA(香港電路板協会)>

HKPCAは2000年に香港で設立され、業界の展示会としてHKPCA Show(国際電子電路(深圳)展覧会)を開催している(図5)。

2018年までは米国のIPCとの共催でHKPC & IPC Showを開催していたが、2019年以降は単独で12月に開催しているが、2022年12月の開催は新型コロナ禍の蔓延の影響で2023年5月に延期された。

図5 HKPCA

 

⑨韓国  <KPCA(韓国プリント回路工業会)>

韓国プリント回路板および半導体パッケージングに関係する協会として、韓国のプリント回路産業の競争力を強化し、会員企業間の相互友好を促進することにより、各会員企業の共通の利益を促進するために2003年7月4日に設立された(図6)。設立にあたってJPCAが側面から支援した。

図6 KPCAのロゴ

 

プリント回路板&半導体パッケージに関する情報ニュースとKPCAメンバーのメンバーニュースの2つの情報(表7)を提供している。業界の展示会としてKPCA Showを仁川で毎年9月に開催している。

表7 業界情報/メンバーニュース

 

⑩タイ  <THPCA(タイプリント回路工業会)>

新たなプリント回路関係の工業会が設立された国としてタイが挙げられる。タイでのプリント配線板を生産する企業が日本を含めて既に進出しており、投資先として注目もされている。今後、発展する可能性を秘めている国でもあり、2019年6月にタイプリント回路協会がバンコクに設立された(図7、写真2)。

図7 THPCAのロゴ

 

写真2 タイプリント回路工業会の第1回会合(2019年6月)

 

以上の工業会の設立順に示すと、米国・IPC(1957年)、日本・JPCA(1962年)、欧州・EIPC(1968年)、インド・IPCA(1985年)、中国・CPCA(1990年)、台湾・TPCA(1998年)、香港・HKPCA(2000年)、韓国・KPCA(2003年)、タイ・THPCA(2019年)の順となる。

会社名
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構
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