4. 環境問題に関する観測
図11は、北極海の海氷面積である。2018年9月21日に最小面積(446万平方㎞)を記録した。
北極海の年間最小海氷面積は2000 年代まで減少傾向にあったが、ここ数年はその傾向にやや歯止めがかかっている。
二酸化炭素の排出量が増えて、北極海の氷が減少していると騒がれ、今後も衛星からの観測データが重要となる。
図12は、南極と北極のオゾンホールである。オゾンは生物に有害な紫外線を95%も吸収するので、オゾン層が破壊されると生物に重大な影響を及ぼすと言われている。
フロンガスなどがオゾン層を破壊するので、この対策が取られているが、フロンガスがオゾン層まで達するのに10年掛かるので、これからも当分の間オゾンホールが広がる恐れがあり、衛星による監視が重要となっている。
5. 生態系、農業
植物の健康状態は電磁波の反射率の違いで分かる。
図13のように若い葉は反射率が大きく、枯れた葉は小さい。
稲作のでき具合や、いろいろな農産物の成長状況なども観測でき、農作業の管理に役立てられている。
図14は、冬の千葉県房総半島の植性を撮った写真で、植物からの反射光で植性を見るには近赤外線を用いる。
常緑針葉樹と落葉樹がはっきり区別され、芝生が色褪せる時期のためゴルフ場が薄く写っている。
以上、地球観測衛星で得られたデータを示したが、JAXAからいただいたデータはもっとはるかにたくさんあり、今回はほんの一部を取り上げただけである。
衛星からの信号では、GPSなどに代表される測位衛星による位置や時刻の確認が重要であるが、日本の測位衛星「みちびき」のシステムは内閣府が所管している。
漏れ聞くところでは、宇宙ビジネスが数十兆円になるとか。
筆者はその内容を知らないので、どこまで本当か知らないが、今回述べたような観測がますます多彩になり精度が向上すれば、地上での活用が進み、経済的な効果も非常に大きい。
JAXAの皆さまの健闘を期待したい。
- 会社名
- 厚木エレクトロニクス
- 所在地
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