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テクニカルレポート
2019.02.01
シリーズ・さまざまな研究所を巡る(第3回)
JAXA、宇宙から地上へ有益な情報発信
厚木エレクトロニクス

 

3. 海洋環境、水資源

 水に関する観測には、2012 年5 月に「しずく」が打ち上げられ、マイクロ波放射計(波長1~10cm、周波数3~30GHz)で観測が行われている。マイクロ波は水の有無やその状態に敏感に反応し、雲があってもその下を観測でき、雲や大気の情報も得ることができる。

 「しずく」が観測している水に関する情報は図8のように、雲水量、空の水蒸気量、降水量、積雪量、大気の凝結、地面からの水分蒸発量、河川の流量、土壌の水分、海面水温、海上風速などがある。

 

 図9は、世界の積算水蒸気量で、西太平洋の水蒸気が非常に多いことが見てとれる。

 

 この図を見せられると日本の南方で台風が次々発生する感じがしてくる。

温度の観測には、「しずく」のようなマイクロ波による観測に加え、10.8μmの熱赤外も用いられ、地表の表面温度を知ることができる。

この波長は大気の透過率が高く、海面、陸面、雪氷面の温度を測定できる。

図10は、「しきさい」が観測した房総半島沖の海水温で、南から来た黒潮と北から来た寒流がぶつかっている様子が良く分かる。

 

このような海水温によって魚群の位置が推定できる
ので、漁業には大いに役立っている。

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