5. 展望
「水素」は石炭や石油のように採掘すれば取れるものではなく、2次エネルギーである。2次エネルギーは1次エネルギーを加工し、使いやすくしたエネルギーと定義されている。
ここでは第一の2次エネルギーを「熱」、第二の2次エネルギーを「電気」と見なすと熱エネルギーは蒸気機関を生み出し、電気エネルギーは毎日の生活に欠かせず、両エネルギーとも我々の生活を豊かに快適にしている。
「水素」も今後、2次エネルギー源となるかが課題でもある。しかし、現場を歩いてみて感じたのは着実に「水素社会構築」に向かって前進しているのが判明したことである。
全国を歩いて再生可能エネルギーに関して取材した結果を2016年11月号の本誌で、『『再生可能エネルギー』の現場を見る』との題名の中で、再生可能エネルギーへの取り組みが各地で着実に増えていることを報告した(※10)。
1次エネルギーの原料を反応させるなどして「水素」を製造する場合には、どうしても二酸化炭素が排出される課題がある。しかし、再生可能エネルギーで余剰となった電力で「水」を分解して「水素」を得る場合には二酸化炭素の排出がなく、この方式による「水素」の製造は夢物語ではなく、「水素」が2次エネルギーとして実用化される時代が近づいていると感じた次第である。
風力や太陽光などで得た再生可能エネルギーを使って豊富に存在する「水」を使って「水素」を得る方法の今後の進展に注目したい。
まさに「水素社会がやって来る!」から「水素社会がやって来た!」のステージに到達したといえよう。さらなる進展を促進させるためには、「水素」をいかにコストに見合う2次エネルギーにするかにある。それには低コスト化に向けての技術開発が必要となってくる。
第三の2次エネルギーとしての水素エネルギーの今後の発展に期待したい。
< 参考資料 >
(※1)青木正光,“「水素社会」の到来” エレクトロニクス実装技術 Vol.32 No.5 pp16?pp24(2016)
(※2)エネルギー基本計画 2018-03
http://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/180703.pdf
(※3)水素基本戦略 再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議 2017-12
http://www.meti.go.jp/press/2017/12/20171226002/20171226002-1.pdf
(※4)https://燃料電池.net/fcv/station.html
(※5)http://www.iwatani.co.jp/jpn/newsrelease/detail_1225.html
(※6)http://www.iwatanigas.co.jp/gas/station.html
(※7)http://www.city.kawasaki.jp/300/page/0000072549.html
(※8)http://www.toshiba.co.jp/about/press/2015_04/pr_j2002.htm
(※9)https://www.toshiba.co.jp/about/press/2017_04/pr_j1701.htm
(※10)青木正光、「再生可能エネルギー」の現場を見る、エレクトロニクス実装技術 Vol.32 No.11 pp30?pp37(2016)
- 会社名
- 特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構
- 所在地
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