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スペシャルインタビュー
2022.01.15
高い創造性と技術力から生まれたタッチパネルと圧力分布センサ
〜二つのコア技術を柱に事業展開〜
株式会社シロク
代表取締役 小川 保二 氏

■コア技術を採用した製品についてお聞かせ下さい

 

写真1 電子黒板用タッチパネル

写真2 デジタルサイネージ用タッチパネル

写真3 XR3 シリーズ

写真4 CMOS イメージセンサ

 

小川:『カメラ方式タッチパネル』技術を採用し、製品化したものが『Xiroku・Touch(シロク-タッチ)』という製品になります。PCで会議や授業をしたり、写真や絵などのイメージを操作する、といった作業を現在使用しているテレビ画面で行えます(写真1)。

特徴としては、電子黒板/ホワイトボードの機能を後付けで簡単/安価に使いこなせる画期的なタッチパネルで、ノートPC向けの小型モデルから地デジテレビ向けの大型モデル(最大7.5m)までラインアップしています。また、取り付けもねじ止めだけで簡単に取り付けられ、配線はUSBケーブル1本だけになります。高速、高精度なタッチ検出で、スムーズで自然な書き味を実現し、電子黒板やPC分野だけでなく、駅などの案内板や広告板、ショウウインドウのガラス面をタッチパネルとして利用するなど、デジタルサイネージ分野への応用なども行っています(写真2)。

ショウウインドウタイプの仕組みは、プリズム(ミラー)を使って外部の指の映像をショウウインドウの内側に設置したCMOSカメラへ送ります。外部の露出は、プリズム(ミラー)と反射テープ(枠)だけでよく、モニタやタッチパネル機器は内側で管理できるため、防水/防塵に対応し、設置(配線)やメンテナンスも容易にできます。実際に、東京・秋葉原において半年間設置し、秋葉原の地図などを映し出した実証実験も行っています。

さらに、シロク-タッチの新シリーズとなる『XR3シリーズ』を昨年からサンプル出荷し、今年から量産対応を開始しました(写真3)。

XR3シリーズは、当社独自に開発したコンパクトなCMOSイメージセンサ(写真4)を採用することで、これまでの課題であった周囲の外光に影響を受けることが少なく、安定したマルチタッチを実現した、耐久性/耐外光性/画像視認性に優れた製品です。1.8mmの強化ガラスにより、安全/安心で高信頼性を必要とする機器に最適です。マイクロソフト社のWindows7ロゴプログラム『Windows Touch AQ』を、21.5インチ/23.6インチモデルで取得しているので、安心して導入いただけます。

当社のもう一つのコア技術である『電磁誘導方式圧力分布センサ』を採用した製品は、当社と茨城県工業技術センターの共同開発で生まれたシートセンサ『LLSENSOR(LLセンサー)』で、様々なものの接触圧力分布をリアルタイムに測定/表示できます(写真5)。

LLセンサーのしくみは、コイルが直交するセル部と、金属片を緩衝材で介した単純な構造で、圧力に応じて可動する金属片がセル部に近づくと電磁結合が強まり、変化する結合係数を検出することにより、各セルの圧力を独立して検出表示します(写真6)。センサ回路が非接触構造のため耐久性に優れている、センサ回路のインピーダンスが低いので大型化が可能、センサ回路の構造が単純なため安価に量産が可能、といった特徴をもっています。

ゲーム入力デバイスおよび足圧や体圧、座圧の変化をカラーまたは3Dで表示できるため、セキュリティーや介護、福祉、健康改善、自動車、機器関連の検知や組み込みに応用されています。

また、LLセンサーのラインアップとして、『MM SENSOR(MMセンサー)』といった製品も用意しています。MMセンサーのしくみは、コイルが直交するセル部に金属片を近づけることで電磁結合の値が変化します。結合の変化が検出された各セルの位置を表示し、金属片との距離を結合係数の変化で検知します。主に、ゲーム機分野で実績がありますが、最近では自走車分野にも応用されています。

会社名
株式会社シロク
所在地
茨城県つくば市