■今後の展開についてお聞かせください
澤入:現状は、主にフラックスの洗浄に取り組んでいますが、洗浄を取り巻く環境は年々難しくなっています。一つは環境からくる難しさと、あとは市場が求める、より信頼性の高い技術で、これらをクリアしていかなくてはならないため、課題は年々増えているように感じられます。
環境については、ここにきて日本市場においても、なるべく溶剤系を使いたくないというような声が、非常に多くなっていると思います。まだ国の方から規制されている訳ではありませんが、大手メーカーの管理部門などが先頭に立ってアクションを起こしているようです。ただ現場サイドでは、まだ混乱しているようで、我々に相談されるような案件がすでに多く出ており、そこから当社の製品を採用頂くケースもあります。
溶剤系を使わない方向にいこうとする時、水だけで洗浄することは技術的に不可能なので、どうしても溶剤に水を混ぜたものを使わざるを得なくなり、そうしないと溶剤系の使用量レベルを減らせません。そのため我々は、溶剤系の使用量レベルを最小限に抑えるものづくりを進めており、今後も引き続き取り組んでいくテーマになっていきます。
それから市場が求める、より信頼性の高い技術については、リフローはんだ付け後の基板洗浄を行わない「無洗浄技術」との取り組みになります。日本市場では、リフローはんだ付け後の基板洗浄を行わないはんだペーストの無洗浄が注目され、それにより信頼性を上げていく方向で進められていました。しかし、最近ではさらにその上のレベルを求める動きがあり、それには洗浄を前提に考えていかないと信頼性の確保は難しいものづくりになっているようです。
この件に関しては、無洗浄を洗浄するというのは簡単にできるものではなく、はんだペーストメーカーと共同で研究を行っており、すでに何社かと技術提携を結んでいます。これからも、色々なはんだペーストが開発されると思いますが、それに対して我々がどれだけフィードバックできるのか重要になってきます。無洗浄のはんだペーストを洗っていこうという姿勢は、世界的に見ても日本市場の少し特異な部分で、ゼストロングループ内でも日本法人だけは他拠点とちょっと違う動きをしています。
日本市場に対してどこまで我々が協力できるのかという意味では、当社はグループ内でもかなり重要な拠点になっていくと考えています。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
- 会社名
- ゼストロンジャパン株式会社
- 所在地
- 神奈川県高座郡寒川町
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