①はじめに
現在、物流、製造業、医療業界など、多様な分野で人手不足の解消や業務効率化を目的として、「自動倉庫」の導入が進んでいる。また、ドライバー不足をはじめとした物流問題が深刻になる中、実装業界においても、少子高齢化による労働力不足に課題を抱える企業が多く存在する。
そこで当社は、お客様の部品管理工程での課題を解決するため2014年から全世界で自動倉庫ISMシリーズの販売を開始。ISMシリーズは、今までに2,200台以上の販売実績を持ち、多くのユーザーに高い評価をいただいている。
本記事では、部品管理工程における課題の認識、課題を解決するための最新ソリューション紹介、導入事例について詳述する。
②電子部品管理工程での課題
電子部品実装での部品管理工程において、下記のような課題を認識する。
2.1 部品管理の複雑性
顧客の多様なニーズに対応するため、実装製造工程では多品種少量生産が求められている。その結果、部品管理工程は非常に複雑化する傾向にあり、在庫管理や工程間の調整が煩雑になりやすく、多くの手間や時間を要する工程となっている。この複雑さは、現場の効率を著しく低下させるだけでなく、自動化の導入を阻害する要因ともなっている。さらに、煩雑さに起因する人的ミスやトラブルの発生リスクが高まるという課題もある。
2.2 スキルに依存した工程であること
従来この工程は、長年の経験をもつ熟練工のスキルや知識に依存し、業務の大部分が属人化していたため、業務の効率化が困難な工程となっていた。現在、少子高齢化が進行する中で、製造業全体が深刻な人材不足に直面している。特に熟練工の高齢化と退職により、現場に蓄積された重要なノウハウが失われるリスクが高まっている。一方で、新しい人材の確保や育成に十分な時間と資源を割くことも難しい。その結果、現場ではヒューマンエラーが発生する可能性が高まり、若手従業員が成長する機会が減少し、熟練工の退職後に業務を引き継げる人材が不足するという事態も発生している。このように、部品管理工程での「人のスキル」に起因する様々な要因は、自動化を阻む課題となっている。
2.3 システム導入におけるコスト面の障壁
自動化設備の導入には多額の初期投資が必要である場合が多く、大きな障壁となっている。さらに、システム構築には専門的な知識や時間が求められるため、導入までのプロセスが複雑化しやすい状況である。また設備導入後にも、ランニングコストや定期的なメンテナンス費用が発生し、これが中長期的な経営負担となる場合がある。
こうした経済的リスクを懸念する企業では、結果的に人手による管理を選択するケースが多く見られる。
- 会社名
- JUKI(株)
- 所在地

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