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テクニカルレポート
2024.03.20
JTAGテストの活用事例 村田機械(株)の生産革新への挑戦
アンドールシステムサポート(株)
谷口 正純

④村田機械(株)のJTAG活用事例

今回は、JTAGテストを導入された村田機械(株)の活用事例を紹介する。村田機械(株)は、京都市伏見区に本社(図4)があり、繊維機械、ロジスティクスシステム、FAシステム、半導体工場向け搬送システム、工作機械、情報機器などを開発、製造販売している。企業の理念「つねに新しい技術を創造し、お客さまに喜ばれる製品の提供を通じて、社員ひとりひとりの幸せと豊かな社会の実現をめざす」のもと、高い顧客満足と高い製造品質を実現している。

図4 村田機械株式会社

 

ムラテックグループの企業理念を見つめ直し深化する一環として、コーポレート・スローガン「革新の分岐点」を2023年4月に定めた。企業理念にある「新しい技術の創造」や「お客様さまに喜ばれる製品の提供」という言葉の本質を直感的に表すと同時に、これまでが生み出してきた革新的な技術を振り返り、より具体的なイメージを育んで未来へ投射するためのキーワードとした。図5に示す彩度の高い放射線状の形状は、スローガン「革新の分岐点」を視覚的に表現している。ラインの収束点は革新の分岐点を経た先にある未来、または過去からつながる革新を表す広がり、そのどちらも表現したデザインであり、時代・業界の分岐点を生みだすプロダクトを、提供し続けるムラテックの姿勢を示している(図5)。

図5 ロゴマークのデザイン

 

ムラテックのロジスティクス・ソリューションは、図6のように多岐にわたって日本の物流を支えている。自社製のマテハン機器とソフトウエアを核とし、必要に応じてカスタマイズ機器の開発や調達機器を最適に組み合わせ、お客さまの生産物流および流通物流の生産性と品質の向上を実現している。

図6 ムラテックの物流ソリューション

 

⑤生産革新への挑戦

ムラテックは、絶え間ない生産革新を通じて、モノづくりを進化させ続けている。1981年には犬山事業所で日本初のFMSの無人化工場を実現するなど、50年以上にわたり生産革新の実績を蓄積している。1996年には国内でも最初期の例として、大分工場で情報機器のセル生産を開始した。1999年には加賀工場の繊維機械にセル生産を導入し、2002年には本格的に展開した。当時は、ほとんど例のなかった大型産業機械でのセル生産の取り組みとして注目を集めた。さらに2004年工作機械、2005年ロジスティクス&オートメーション機器と、個別仕様・個別受注生産を特徴とする大型産業機械においてもセル生産を導入して成功している。

現場の一人ひとりの創造性を生かして進化し続ける「セル生産方式」をベースに、「1台流し」で需要変動に対応し、変種変量の「混流生産」を行う「単品生産方式」を、それぞれの製品特性、市場特性に合わせたバリエーションを展開しながら、各製造部で確立してきた。さらにITの活用では、販売や部品調達はもちろん、海外工場や外部協力会社とも連携した「視える化」を推進し、モノづくりのサプライチェーン・マネジメントを進化させている。

ムラテックは、お客さまの価値創造をお手伝いするモノづくりメーカーとして、ご注文をいただいてから出荷するまでの一連のサイクルをスピードアップすることで、仕掛り在庫や部品在庫の極小化を図り、需要変動に柔軟に対応できる納期対応力を強化し、つねにお客さまに満足いただけるQCD(品質・コスト・納期)を提供することを理想としている。お客さまの期待に応えるために、モノづくりを常に進化させ続ける取り組みを行っている。

つねに知恵を出し続け、進化し続ける人の集団であること。それが、ムラテックの考える「現場力」であり、現場の技能や知識を、改善に生かせる知恵へと変えるのが、「生産技術力」である。生産技術力をつねに発揮し続けられるためには、意欲とプロセスを評価し、失敗を恐れない動機付けが欠かせない。そのためには、問題が見える仕組みや、全員が知恵を出しやすくするための仕組み、技能や知識を組織の財産として継承する仕組み、つまり「管理技術力」が必要になってくる。管理技術力は、生産技術力の成果によって、また高められる。「現場力」とは、管理技術力と生産技術力、このサイクルを回し続けることで、つねに知恵を出し続け、進化し続ける人の集団となれることである。

ムラテックでは、現場力の向上を目指して、「小集団活動」と「自主研」を核に、さまざまな活動を展開している。50年以上の蓄積がある「小集団活動」は、現場の一人ひとりの問題解決力を向上させるプロセス学習の場として、人材育成の成果が求められる。一方、製造部長から現場リーダーまでの「タテ」と現場リーダー同士の「ヨコ」のネットワークで問題点と改善手法を共有する「自主研」は、トップダウンで課せられたテーマに取り組み、具体的なQCD向上の成果を追求している。「現場力」は、すべてのモノづくりの出発点であり、「モノづくりは人づくり」を合言葉に、ムラテックは現場力の向上を目指している。

 

⑥JTAGテスト導入による生産革新の狙い

近年、実装基板の高密度化と高機能化が急速に進展している。この進化は新たな機能の実現と製品の小型化が求められ、同時に製造部門において新たな検査準備と故障解析の課題が出てきた。これらの課題を解決するためにJTAGテストを導入して生産プロセスの革新を推進している。

図7の基板は、村田機械(株)の自動倉庫向けクレーン、シャトル台車、AGV(無人搬送台車)、有軌道台車、天井搬送台車などに搭載されている制御基板で、自走する機器のほぼすべてに搭載されている。様々な業界、業種のお客様が使用している物流システムの保管、搬送、仕分けの各システムで、品物のハンドリングを担っている重要な基板のため、長期間にわたり高い品質が求められる。基板をみて分かるように、基板のサイズが小さく、BGAパッケージの部品を中心に、実装密度が非常に高くなっていることが分かる。

図7 テスト対象の搬送制御基板

会社名
アンドールシステムサポート(株)
所在地
東京都品川区南品川2-15-8