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テクニカルレポート
2026.09.29
Glass PKG実装技術、電子部品への応用
Grand Joint Technology Ltd.
大西 哲也

⑦ガラスの特性を生かした半導体実装ガラスコア以外への応用拡大

半導体実装ガラスコア以外の展開として、Menlo Micro社のMEMSスイッチ(Ideal Switch®)は、石英ガラス基板の上にMEMS構造の極小カンチレバー(片持ち梁)を配置し、それを上下からガラスで完全に密閉(封止)した形態となっている。Corning社の溶融石英の特徴を活かした独自の三次元構造により、気密(ハーメチック)封止を行っている。

このMEMSスイッチの特性は優秀で、すでに百万個以上の出荷がなされており、半導体検査用コンタクタ基板(プローブカードやロードボード)の設計に革新をもたらすキーデバイスとなっている。

Menlo Micro社は、GE社からのスピンアウトで、社名の「Menlo(メンロー)」は、トーマス・エジソンが世界初の電球や数々の発明を生み出し、”メンローパークの魔術師(Wizard of Menlo Park)” と呼ばれたニュージャージー州の地名から名付けられている。

初期のものは図6のような形態であったが、新しいでデバイスでは、石英ガラスの中のTGVビア形状も確認できる(図7)。

図6 Glass TGV MEMS SW スイッチ(Menlo Micro社)

図7 Glass TGV MEMS SW スイッチ(Menlo Micro社)

 

フィンランドのPrimoceler Oy(プリモセラー)社(以前はドイツSCHOTT社のグループ)が開発する生体埋め込みガラス部品(図8)は、「アクティブ(動的電子回路搭載型)生体埋め込み医療デバイス」を極限まで小型化し、体内で安全に機能させるためのパッケージとなっている。

図8 Glass PKG Application(Finland Primoceler Oy社)Implant device https://www.primoceler.com/

 

米国Qorvo(コルボ)社が開発しているガラス貫通電極(TGV : Through-Glass Via)技術を採用したデバイスは、米国の特殊プログラムや次世代5G/ミリ波(mmWave)向けの異種材料集積(ヘテロジニアス集積)高周波(RF)フロントエンドモジュールで、シリコン(Si)やガリウムヒ素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)などの異なる複数の高周波チップを、ガラスインターポーザを使って1つのパッケージに超高密度にまとめたシステム・イン・パッケージ(SiP)モジュールとして開発している。用途の詳細は不明であるが、超小型レーダ、AI通信基地局、ミリ波・テラヘルツ帯向け次世代通信機器などと予想される。

ドイツでは、ミリ波導波路フィルタが開発されている(図9、図10)。

図9 Glass TGV ミリ波用導波路フィルタ用途例

図10 Glass TGV ミリ波用導波路フィルタ用途例

 

⑧今後の展望

ガラスを用いた、HPCやAi用途を期待した、反りの少ないガラスサブストレートやガラスインターポーザ実現に向けて、各社が、工法&材料開発を行っているが、その完成・実現には、まだ2、3年必要だというのが、学会でのコメントにも出てきているものも、各社が、着実に少しずつ、国内外で開発を進めてきている

裏面配線半導体素子とガラスとのマッチングやガラス埋め込み配線基板の提案もある。ガラス基板実現への近道を確立させるため、世界中のメインプレイヤが、アライアンスのようなものを組み、実行している状況である。

ドイツでは、2025年10月にガラスパネル技術グループGPTG(図11、写真1)が作られ、Fraunhofer IZM ベルリンを中心に、ドイツの会社だけでなく、日本からも参加し、ガラス基板の技術開発とサプライチェーン確立を目指している。

米国、台湾でもすでにそのような活動をしている。

図11 2025年に形成されたドイツのガラスパネル技術に関するグループ

写真1 2025年に形成されたドイツのガラスパネル技術に関するグループ

会社名
Grand Joint Technology Ltd.
所在地