ビジネスコミュニケーションを加速する
BtoB ニュース専門サイト | ビジコムポスト

テクニカルレポート
2026.09.29
Glass PKG実装技術、電子部品への応用
Grand Joint Technology Ltd.
大西 哲也

③ガラスTGVを実現する重要プロセスについて

Glassパッケージの実現には、ガラス選定、ビアレイアウト設計、ビア形成方法、ビアの品質・ビア検査方法と検査内容、ガラス洗浄、ガラスコアへのメタライゼ−ション、ビア充填、ビルドアップ層形成、シングレーションなどと共に、不良解析技術、チッピングの発生しないガラスハンドリングなどが重要な項目となる(表7)。

表7 Glass TGV important process

 

ガラスの種類もいろいろあるが、Glassパッケージ用途としては、シリコンと同等の熱膨張率を持つ無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、電気特性に優れた石英ガラスなどが評価され、各種電子部品に使われている。

表8にECTC2014で発表された論文に掲載されているガラス物性を示す。

表8 ECTC2014の論文中に掲載された、ガラス材料の物性比較

 

表9にJIEP学会誌2025に掲載された論文でのガラス物性を示す。

表9 JIEP学会誌(2025 28巻1号)の論文中に掲載された、ガラス材料の物性比較

 

メインのガラスサプライヤとその品番は、この10年間大きな変化はない。ガラス特性として、CTEは非常に明確であるが、Tgポイントや熱に関する物性値が、樹脂材料とは異なり不明瞭であり、またガラスメーカー毎のデータシートで示される項目が異なる。

2022年には、Schott社から、高速通信対応特殊ガラス素材特性について発表されているが、特殊用途として注目されている(表10)。

表10 高速通信対応の新規ガラス素材特性について

 

HPCやAi用途に要求されるGlass PKG用サブストレートやインターポーザとしては無アルカリないしホウケイ酸ガラスで、High AR(高アスペクト比)、小径ビア形成、両面Cu配線形成コア、ガラスコア上の数層の微細配線RDL、背割れなどが発生しない構造を有したものが必要になる。高速通信や高精度のアンテナ用途では、新規ガラスや石英が使われる。

 

④ガラス基板へのTGVビア形成技術ついて

ガラス基板へのビア形成については、最近はさらに実力をつけて、レーザアシストエッチング法などで高アスペクト比を実現している。

ドイツ、スイス、日本、台湾、韓国などでもビア形成技術が確立され、その仕上がりも向上している。ビアだけではなく、キャビティなどの3D構造体も精度よく対応できている。

さらにエッチングなしのレーザ加工だけでの直径1μm、アスペクト比1,000以上といった研究開発結果がエンプラス社から発表されている。

エッチング前にレーザ加工の良し悪しを判断する方法も提案されており、評価装置がすでに作成されている(図4)。この装置を使うと、エッチング前に、レーザ加工の歪や形状分布、マイクロクラックの状態、真円度、穴の上下ズレも評価確認でき、レーザ加工条件の調整ができる。

図4 TGVビアでのマイクロクラック検査ついて

 

ガラスのビア形状がきれいになり、マイクロクラックや歪の少ないビア形成方法では、ガラス抗折強度をRoR(リングオンリング)法で測定しても(図5)、TGVビア有無のサンプルで大差ない抗折強度が得られている。

図5 ガラス抗折強度測定について

 

TGVビアレイアウト設計も重要で、ビアピッチ、ビアサイズによる、抗折強度測定結果の報告もある。

TGVガラスビアのレーザ加工エッチングの穴内部の汚れ、表面張力の評価や洗浄への提案がなされており、TGVビア洗浄剤の開発も進んでいる。

 

⑤TGVビア充填

設計コンセプトにより、TGVビア充填も重要な項目で、Cuメッキ法、シンター材料充填法、導電性ペースト充填法も開発が進み、実用化レベルに近づいている。

また、設計コンセプトによっては、ビア充填をしなくてもコンフォーマルTGVビアで、高周波特性に対応できる可能性もでてきている。

Cuメッキ法で、TGVビア充填した状態でビア内部のガラスとCuの界面を信号が伝達されようとしても、表皮効果により、TGVガラスビア形状の凹凸・ギザギザの影響を受けることから、高速伝送性については、シンター材料充填法での気孔ポロシティがわずかにあった方が表皮効果的には優れている可能性も示唆されている。

熱伝導性やGND&電源については、Cuメッキ法でTGVビア充填が優位とされている。

 

⑥Glass PKGの評価、解析

信頼性についてもまだ開発評価途中であることが多い。ガラス基板の評価や分析手法も、従来の樹脂基板と異なり、工夫や改善が必要である。台湾のiST社では、いち早くガラス基板の分析の重要性を認め、ガラス基板の分析対応チームまである。

分析や評価、試作では、ガラスをカットすることが必要であるが、精度よく上手にカットするのも慣れないと難しい。昔風のガラスカッターではなく、スクライブホイールやレーザを使う。新しいハンドカット用の小型のスクライバーも販売されている。端面カット状態が悪いと、工程内搬送などで、クラックの原因になり、これは4PB(4点曲げ : Four-Point Bending)法による抗折強度測定で確認できる。

会社名
Grand Joint Technology Ltd.
所在地