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テクニカルレポート
2014.09.02
EMSの構築・運用による大幅な廃棄物の削減とその成果
(株)山形メイコー

3.山形工場での主な環境改善内容の推移と効果金額

 以下に、山形工場での主な環境改善内容の推移、並びにその効果金額については表4に明記しているので、ご参照いただきたい。

表4 山形工場の環境改善活動内容と効果金額の推移

 ①2001年のISO14001の認証取得までには環境側面の特定を行い、認証取得後は具体的な削減目標の設定に繋がる工場全体のユーティリテイの使用量と金額の調査を主体として進めた。
 ②2002年からは具体的な環境活動と削減計画をスタートし、空調の温度管理の見直しによる効果金額を算出した。また、PRTRの資料の元になる、全工程における薬品の使用量と、生産量での原単位による比較で悪化した各工程の薬品管理を調査し、原因を追究して改善を行い、薬品の削減効果を生み出した。各職場でのマンネリ化した薬品使用量についても、原単位から追跡をして改善を図り、その結果、無駄を省くことができた工程は予想以上に大きなものとなり、効果金額も多く生み出した。
 ③2004年度には、全廃棄物の6割を占めている廃アルカリ内部処理施設を導入。また、水道水の削減策として豊富な地下水をRO膜処理施設で純水に処理することによって、水道水の大幅な削減を図った。
 ④2007年度には、廃棄物の中で廃アルカリに次いで多かった、濃厚廃酸の内部処理装置を導入した。この施設改善に際しては、山形県の、リサイクル施設などについての「産業廃棄物発生抑制支援事業補助金制度」に応募し、事業計画書を発表してこの了承を得、同県から1,000万円を受領した。
 ⑤同じく2007年度には、電気使用量2,800万kWh/年のうち20%を占めているコンプレッサについて、電気使用量の削減という狙いとともに、CO2の削減を行うことで地球温暖化対策に貢献するべく、「省エネ制御システム」装置を導入した。なおCO2削減は、地球温暖化対策への取り組みでもあり、山形工場では環境省主催する『自主参加型排出量取引制度』で2009年8月に環境省から『目標達成確認通知書』をいただいた。2007年度時点では全国で130社程度で、山形県として、また電子回路基板業界としては初めてのことであった。そして、これらのことが評価されて、2008年6月の山形県環境協議会で『選考委員特別賞』を受賞した。
 ⑥2008年以降の全体の廃棄物はまだ15%程度残っているが、有害物質や濃厚廃液などが多く、また内部処理施設での投資に対する効果金額も薄く、特に有害物質に関しては排水処理では極微量までの分離除去が必要となることから、さらなる廃棄物の削減は難しく、横ばいで推移している。

 

 

 

 

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(株)山形メイコー
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