はじめに
今日の企業には、社会への環境負荷を低減するとともに、企業活動の経済的、社会的側面にわたって、調和の取れた環境活動が求められている。電子回路基板製造業の(株)メイコーでは、そのCSR宣言において『良き企業市民として社会的責任を果たし、地球環境と社会の持続的発展に貢献する』との方針を表わしている。
そこでわれわれ(株)山形メイコー(以下、山形工場)は、ISO14001の認証取得以来、ゼロエミッション実践面でグループ内の牽引役を果たしてきた。EMSの構築・運用した結果として、80%の大幅な廃棄物削減を果たし、効果として年間1億5,000万円のコスト削減を行った。山形工場の経験を水平展開して、宮城工場では、廃棄物を83%削減し、年間3億円のコスト削減の成果となった。同時に中国の広州工場や武漢工場への技術移転も行って、水平展開を図っている。国際標準化機構(ISO)の構築したISOマネジマントシステムという良き経営手法を有効に取り入れた結果といえる。
メイコーの会社概要
近年、世の中のエレクトロニクス機器は、小型化、軽量化、高機能化とともに、使用される電子回路基板もまた新しいコンセプトが求められている。携帯型情報機器として注目されているスマートフォンなどは高密度・高機能なエニーレイヤ基板が、省エネで長寿命を謳ったLEDテレビや照明には高放熱基板が、そしてエコカーや太陽光発電の普及、さらにスマートグリッドシステムの実現のためには大電流基板が、それぞれ新しく求められている。
当社は、海外工場の進出により順調に売上高も伸ばしてきたが、2008年の世界的大不況の渦中でのリーマン不況や2011年3月の東日本大震災の影響で、宮城工場や福島工場が大打撃を受け、やや売上高は減少しているが、これらの新しい市場の到来を転機と捉え、最新鋭の中国武漢第2工場やベトナム工場に新規基板専用の量産ラインを拡充し、事業化を開始した。さらに世界のエレクトロニクス、携帯電話、自動車業界の顧客企業に大きく販路を拡大し事業の拡大を図っている(図1、表1)。
図1 (株)メイコーの生産拠点
表1 メイコー全社の品目別売り上げ高推移
- 会社名
- (株)山形メイコー
- 所在地
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