オリジナルブランドの『Happo+(ハポタス)』を立ち上げた経緯などについてお聞かせ下さい
澁谷 : 発泡スチロールは、どちらかというと裏方的な存在のイメージがあり、ドイツで発明され日本にきて数十年が経っている中で、最大のヒット作が魚を入れる「魚箱」でした。そのため、発泡スチロールを成形する工場は、大きな港や魚市場の近くに多くあったのですが、需要が減ると工場も徐々に減ってきたように、用途の幅が「魚箱」以外にそれほどないような状況でした。
そのような中で、先程も少しお話しましたが、発泡スチロールのメリットを活かしつつ、さらに加工技術もアピールしていけないかと私自身常々思っていました。ただ、それで「魚箱」に変わるものをつくってもあまり当社らしくないので、オリジナルブランド的なものを立ち上げることにより、当社の強みである加工技術を全面に出していけるのではと考えました。そして、実用化されるかは分かりませんが、インテリアなど幅広いものにチャレンジしていこうと思ったことがきっかけになっています。
最初の仕事としては、2013年に開催されたデザイン関連のイベントである『Tokyo DesignWeek』に出展し、オリジナルブランドの試作品を展示することで来場者の反応を見ることでした(写真6)。要するに、会社として色々な方向にアンテナを張って、「魚箱」や「梱包材」だけでなく、それ以外にも様々な可能性を秘めているのを知って頂くことが、大きな目標になっています。
写真6 『Tokyo Design Week』に出品した展示品
現状では、まだまだオリジナルブランドの製品化を試行錯誤しながら進めている状況です。ただ、試作品などもつくりながらメディアにも取り上げて頂くことで、少しずつ会社の知名度は上がって来ているように感じています。
今後の展開についてお聞かせ下さい
澁谷 : やはり今後も、発泡スチロールの可能性を幅広くアピールしていくことに力を入れていきます。まだ素材として、発泡スチロールを使って何かものをつくるということは、それほど浸透していないと思うので、金属やプラスチック、それから樹脂などと同じステージに上げることにより、選択肢の1つに加えられるようにしたいと考えています。
私自身、エンジニアや職人などと違い、技術的なことに関してはそれほどアドバイスできませんが、アイデアなどは色々と提案できると思います。そういった提案を、デザイナーや設計をされる方、または企画に携わる方などとお話することで、発泡スチロールの可能性を理解して頂き、さらにそれを社内や取引先などで広めて頂くことにより、当社のビジネスチャンスも広がってくると考えています。
最近では、先日開催された『テクニカルショーヨコハマ 2018』に出展し、横浜ものづくりゾーン内の「メイドインつづき特別展示」において、ある企業とコラボして進めている災害時用の簡易便器を展示しました(写真7)。まだ試作段階ですが、会場では多くの来場から注目を集めることができたと思います。
写真7 展示された簡易便器
このように、業界についても特に決まった所ではなく、幅広いお付き合いをさせて頂いている状況です。今後も、このようなビジネススタイルを継続しながら、少しでも社会に貢献していきたいと考えています。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
- 会社名
- 第一フォーム株式会社
- 所在地
- 横浜市都筑区
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