3. 設備と技術の特徴
データセンターは単なるサーバーの集合ではなく、高度な設備技術によって支えられている。データセンターは表1に示す構成要素からなる。

表1 データセンターの構成要素
3-1 電力供給
大量の電力を安定供給するため、複数の変電所からの受電、無停電電源装置(UPS)、非常用発電機などが整備されている。電力の安定性はサービス継続の生命線である。
IEAの報告書では、世界データセンターの電力需要が2030年に945TWhへ倍増し、AIがその主因と位置づけられる。
この背景には、大規模言語モデル(LLM)のトレーニングと推論が、GPU数千〜数万台を同時稼働させる必要がある点にある。
従来のCPU中心ワークロードとは異なり、AIはNVLinkやInfiniBandなどの超高速インターコネクトを要求し、単一施設での集約処理が効率的となる。
AIラックの電力密度上昇は、電源インフラの抜本刷新を強いている。標準ラックが20kVA程度に対し、NVIDIA DGXクラスでは60kW超、H100/H200 GPUベースでは100kW級に達する。
これに対応するため、施設入口の変圧器容量を数百MVA級に引き上げ、内部配電ではバスウエイや液体冷却対応電力配分装置を採用する。
3-2 冷却技術
サーバは大量の熱を発生するため、空調設備や液冷技術によって効率的に冷却する必要がある。近年は省エネルギー化の観点から、外気冷却や水冷技術の導入が進んでいる。
電力密度の上昇は熱負荷を急増させ、冷却がデータセンター設計のボトルネックとなっている。空冷(CRAC/CRAH)ではラック密度30kW超でホットスポットが発生しやすく、AI環境では不十分となる。
液冷へのシフトが標準化しつつある。直接チップ冷却(DLC)や2相浸漬冷却が主流で、後者はダイレクト・トゥ・チップ式で熱伝達係数を空冷の1,000倍以上に向上する。資料によると浸漬冷却が冷却電力を94%削減し、250kW/rack対応可能とされる。冷媒としてノンフロン系液体(例:炭化水素系)を使い、熱回収で廃熱利用(区域暖房)も進む。
ハイブリッド冷却では、空冷と液冷をコンテキストに応じて切り替え、AIラックを液冷、一般ワークロードを空冷に振り分ける。データセンター外部では、フリークーリングや乾式冷却塔を活用し、水使用効率(WUE)をg/kWh単位で最適化している。こうした技術革新が、高密度施設の新設を可能にしている。
3-3 セキュリティ
物理的セキュリティ(入退室管理、監視カメラ)とサイバーセキュリティの両面が重要である。多層防御によって不正アクセスや情報漏洩を防ぐ仕組みとなっている。
- 会社名
- 特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構
- 所在地

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