8. 「シフトレフト」DFMによるコンカレントなPCB設計プロセス
PCB設計の各マイルストーンで段階的にDFM解析を実施することは効果的であり、競争上の優位性を高めることができる。
設計とリリースの各プロセスにおける担当者が問題を把握して早期に対処することで、設計が下流に進んだ後に問題が発生する可能性を排除し、手戻り時間を削減することが可能となる。
また、設計者の製造への意識を高める効果も期待できる。
図5 設計の各マイルストーンで行う段階的なDFM解析
PCB設計プロセスと同時進行でDFM解析が可能な環境の実現には、理想的にはDFMソフトウェアを電子設計(EDA)ソフトウェアと緊密に統合して、設計者がレイアウトツールの環境内で基本的なDFM解析を実行して結果を確認できるようにする必要がある。
メンターの『Xpedition xPCB Layout』では、『Valor NPI』を使用したDFM検証と結果確認をすべて同一画面で実行できるため、設計者が『Valor NPI』アプリケーションの操作を習得していなくても、『Valor NPI』のDFM解析を利用できる。
図6 Xpedition用のValor DFMアドイン
9. 最適なパネル設計による基板製造部材費の削減
エレクトロニクス業界では、単なるDFMを超えるツールが必要になっているが、その証として、『Valor NPI』はPCBパネル設計の最適化にも使用されている。
『Valor NPI』では、実装パネルを容易に作成し、必要なすべての要素(レール、ツーリングホール、フィデューシャル、配線、Vカットなど)を含めることが可能になっている。
実装パネル内でボードを自動的に最適化して、基板製造の部材費を最小限に抑えることもできる。
エレクトロニクス製品の製造コストのなかで基板製造の部材費は見落とされがちだが、大きく削減できる余地がある。
異なる4つの設計企業を対象とした調査を行った結果、パネルを最適化すると1顧客あたり平均で1年あたり約1,380万円削減できることが分かった。
図7 基板製造部材費の削減
さらに、実装アレイにDFM解析を実行すると、単独の基板の段階では特定できないような潜在的な製造問題も特定することができる。
たとえば、ミシン目がSMDパッドに近すぎる問題や、デバイスがPCBの端から張り出し認識カメラによるグローバルフィデューシャルへのアクセスを妨げている問題も特定可能である。
10. まとめ
設計と製造の分業化がよりいっそう進むなか、他社との差別化を図り、可能な限りの時間と費用、コストを削減するには、上流側での効果的な問題解決の実現や、製造サプライヤとのコミュニケーションを体系的に合理化することが差し迫った課題となる。
『Valor NPI』は、設計と製造をシームレスにつなぐインテリジェントなDFMソリューションとして、その効果的な解決策となる。
- 会社名
- メンター・グラフィックス・ジャパン(株)
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