0603、1005サイズ向けW8P1紙テーピング
チップ積層セラミックコンデンサの中で、現在及び今後の主力サイズとなるのが、それぞれ0603サイズ、1005サイズと呼ばれる0.6×0.3mmと1.0×0.5mmである。従来、この0603サイズと1005サイズの包装形態は、8mm幅の紙テープ材に2mmピッチで部品が整列したW8P2紙テーピングであった。今回、この0603サイズと1005サイズで、1リールあたりの収納数量を2倍にした1mmピッチのW8P1紙テーピングを紹介する。
それぞれのテーピングを、図9に示す。
図9 W8P2紙テーピングとW8P1紙テーピングの比較(単位:mm)
W8P1紙テーピングは、W8P2紙テーピングに比べ、部品間ピッチを半分にすることにより、1リールあたりの収納数を2倍に拡大することに成功し、包装廃棄物及び製品在庫の保管スペースを大幅に削減、さらに、実装機のリール交換回数を半分に減らすことができた。特に0.1μFのように、セットに使用される員数が多い部品に対し、生産を高めるために大変有効な包装形態となる。
W8P1紙テーピングに関しては、JEITAからも“表面実装部品のW8P1テーピング仕様に関する技術レポート”(No.ETR-7025)が発行されており、各社での対応が進められている。
最後に
チップ積層セラミックコンデンサは、携帯電話、PC、家電、電装関係など、多くの電気・電子機器に幅広く採用されており、機器の信頼性向上や小型化、低価格化に大きく貢献している。そして、電子機器は、今後もデジタル化と高周波化が進むと同時に、より小さな部品の採用が進むことだろう。
加えて、これら部品のテーピング包装は、使用後に紙やエンボステープ、リールなどが産業廃棄物として処理されなければならない。チップ部品の小型化により、チップに対する包装材の廃棄量が増加傾向にあり、環境に対する負荷が大きくなっている。現在、小型部品に使用されている包装材を削減するために、多くの得意先でW4P1やW8P1テーピングの採用検討が広がってきている。
今後も、これら小型部品にはさらに生産性が高く、廃棄物がより少ない包装形態がますます求められていくことだろう。部品の小型化に伴い、その部品の包装形態や実装信頼性などを再確認し、ここに紹介した環境にやさしいW4P1やW8P1テーピングが、より幅広く普及拡大することを望んでいる。
<参 考 文 献>
1.IEC規格 IEC60286-3-1、IEC60286-3-2
2.JEITA“表面実装部品のW8P1テーピング仕様に関する 技術レポート”No.ETR-7025
3.株式会社村田製作所編:セラミックコンデンサの基礎と応用,オーム社,11,2003
4.京セラ株式会社、太陽誘電株式会社、TDK株式会社、株式会社村田製作所、各社カタログ
- 会社名
- (株)村田製作所
- 所在地
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