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テクニカルレポート
2019.06.21
シリーズ・さまざまな研究所を巡る(第7回)
鉄道総合技術研究所(その2)
厚木エレクトロニクス

 

 

3.リニアモーターカーについて雑感

 

 筆者は長年、ソニーで働き、世界初といわれる数々の商品に関係してきた。

 その経験から良く分かるが、鉄道総研の研究者が世界初のリニアモーターカーを開発されるのにどれだけご苦労があったかは部外者には想像もできない。

 図11は世界で初めての超電導磁石の電磁誘導浮上で走行したリニアモーター実験車である。

 

図11 世界初の電磁誘導浮上で走行したLSM200(資料は鉄道総研提供)

 

 研究者にとって、この世界初の実験車の成功がどれほど嬉しかったことか。

 リニアモーターカーは超高速以外に、どんな急坂でも登れるという大きな特徴がある。

 そこで筆者の独断であるが、山谷の多い日本の国土のどこでもトンネルを掘らず陸橋などかけずに走れるわけで、新幹線網よりリニア鉄道網を作った方が安価ではないかと思われる。

 また、メンテナンスが非常に簡単なのも大きなメリットである。
騒音も風切り音のみで、パンダグラフや線路からの騒音がなく、快適な乗り物と思われる。

 空中に浮いた状態で超高速走行するので、一種の飛行機といってもよいわけであるから航空法の規制に従うのだろうか?(Joke!)

 

4. まとめ

 

 鉄道総研は、時速200㎞/hの壁を破る新幹線の技術を実現し、さらに550㎞/hを実現したリニアモーターカーの技術を完成させ、世界の鉄道界の技術を牽引してこられた。

 まさに世界に誇るべき成果である。

 次は何だろうか? 現在の研究テーマを拝見すると、安全運転、災害対策、省エネ、メンテナンスの改善、乗り心地の改善など地道な研究が多いようで、我々一般の乗客にとっては重要な研究ばかりである。

 鉄道は、これまでも、今後も、日本の産業の発展や国民の幸せのために重要な役割を果たして行くと思われるので、鉄道総研のますますのご健闘を期待したい。

 

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厚木エレクトロニクス
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