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テクニカルレポート
2023.04.11
はんだ関連技術:量産における鉛フリーはんだ  〜工法の見直しによるコスト改善〜
実装技研
河合 一男

④おわりに

筆者は海外(ヨーロッパ、メキシコ、中国、東南アジア、台湾、韓国)で数千のラインに立ち会い改善活動をしてきているが、大半が2〜3日でその場の問題と指導も含め、改善してきている。

これらのことから、日本におけるはんだ付けに関しては工法の変更は特に問題ではなく、コストの改善はできる。実際、すでに一部の海外工場では実施され、成功している。

なお、技術系のセミナーは多くあるが、実際の流れに沿っての現場に関するセミナーは少なく、高度な設計に対しては現場の経験不足で対応できていない。

本年の11月17日(木)と11月18日(金)の2日間、京都府の京都市勧業館みやこめっせにおいて『実装組立プロセス技術展』1)が開催され、19社の企業が各種検査機器などの製品群やサービスを紹介し、さらに5社のEMSの企業も出展していたが、来年も4回(3月に静岡、続いて5月に北九州、8月には盛岡、11月に岡山)、開催される予定のようである。展示会は機会の少ない中小企業にとって情報収集に大変重要であり、かつ、より身近な地区で開催されることは、移動のための経費や時間の節約ともなる。

筆者も今回、セミナーを開催したが、参加者が多く、即締め切りになった。コロナ禍によって情報収集活動に支障をきたした期間が長くなったこともあって、ウェブのみのでは得られない情報が多くなっている。なお、筆者は、来年2月と3月に、動画説明をメインとして、「コスト改善の工法変更」について、日刊工業新聞で開催する予定である。

大手企業が設計から現場まですべてを自社で行っていた頃には、様々な事例やトラブルが協力会社にも指導・伝えられていたが、現在では他社の情報は入ってこず、自社のみで対処しなければならない状況である。他社(特に海外)へ製造を委託している形態では問題は他社(他者)のこととして片付けられている。

事故につながる情報に関しては、各社の立場を離れて、現場も含めた議論やセミナーの機会を設けて現場力を高める必要がある。特に規格に対しては、基本原理を抑えた上で、もっと柔軟に対応する必要がきている。

筆者も含めて年配の現場経験の技能者がそろそろ引退の時期にきているので、今のうちにそのノウハウを伝え残しておくことが必要となってきている。

 

<参考URL>

1) https://musubi-japan.org

会社名
実装技研
所在地