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テクニカルレポート
2023.04.05
この1年の半導体市場の動き(その②)
長見 晃

3. 3D NANDはじめメモリ関係

 

以下に、三次元メモリ半導体関係のこの1年を振り返る。

 

台湾・Macronix Internationalの3D NORフラッシュメモリの取り組みである。

 

・Macronix developing 3D NOR flash Macronix works on 3D NOR flash memory

technology

(11月11日付け DIGITIMES)

→メモリ半導体メーカー、Macronix Internationalのchairman、Miin Wu氏。同社は、3D NORフラッシュメモリを開発しており、最初の製品が2年以内に出てくる見込み。該メモリは、2Gb, 4Gbおよびさらに高い量のデータを蓄積できる。

 

韓国のSK hynixおよびSamsungが、次世代3次元実装DRAM「HBM(High Bandwidth Memory)3メモリー」製品をそれぞれ披露している。

 

・K Hynix Demos 24GB HBM3 at 6.4 Gbps and Samsung Works on Cheaper H-Cube

-SK Hynix and Samsung each unveil HBM3 memory products HBM is developing, just not for consumers

(11月11日付け Tom’s Hardware)

→SK Hynixが、12-Hi 24GB HBM3-6400メモリstacksを投入、through-silicon vias(TSVs)で繋がれた十数のDRAMsを収めている。これとは別に、Samsung ElectronicsがAmkor Technologyと協働、Hybrid-Substrate Cube(H-Cube)技術をつくり出し、6個以上のHBM stacksが入れられる実装である。

 

・11月12日付け セミコンダクタポータル記事

-SamsungファウンドリとAmkorが2.5Dパッケージ技術を共同開発 

→Samsungのファウンドリ部門が最大6個のHBM(High Bandwidth Memory)メモリとプロセッサやSoCを2.5D(2.5次元)で集積するパッケージング技術をAmkorと共同で開発した(図5)。半導体ユーザーがデータセンターやAI、HPC(高性能コンピューティング)、ネットワーク製品へ参入するのを支援する。

図5 HBMを最大6個まで搭載できるハイエンドSoCパッケージング技術 出典:Samsung

 

中国で最初にNANDフラッシュメモリを生産しているYMTC(Yangtze Memory Technologies Co)が、128-層3D NANDにHybrid Bonding技術を取り入れている。

 

・12月6日付け 3D InCites:Phil Garrou氏ブログ

-IFTLE 504: YMTC Implements Hybrid Bonding for 128-Layer 3D NAND

→10月に、Xperiは、中国の Tsinghua Unigroupの一部であるYMTC(Yangtze Memory Technologies Co)にハイブリッド ボンディング ポートフォリオのライセンスを供与したと発表した。解析調査のTechInsightsは以前、YMTCが128層の3D NAND製品でハイブリッドボンディングを使用していることを確認していた(図6)。

図6 YMTCs 128 layer 3D NAND

 

初めて200を超える層数の3D NANDフラッシュメモリデバイスについて、Micron Technologyが量産を開始している。

 

・Micron rolls out 232-layer NAND, raising storage ambitions

 (7月28日付け FierceElectronics)

→Micron Technologyが、世界初の232層NANDストレージ ソリューションの量産を開始、これは、同社が176層NANDを謳ってからほぼ1年後の動きであり、現在市場に出回っている何よりも高速で堅牢な新世代のストレージデバイスを可能にする。

 

Micronのこの232層NANDフラッシュの打ち上げを受けて、SK Hynixが早速の反応、238層を打ち上げている。

 

・SKハイニックス、世界最高の238段NAND型フラッシュメモリ開発

(8月3日付け chosun Online 朝鮮日報)

→SKハイニックスは3日、世界最高となる238段NAND型フラッシュメモリの開発に成功したと発表した。NAND型フラッシュメモリはスマートフォンやパソコンなど電子機器に搭載されるデータ保存用の半導体で、データ保存空間を高層住宅のようにいかに多く積み上げるかが技術力の指標となる。これまで最高だったのは、米マイクロンが先月量産を始めた232段だった。SKハイニックスは同日、米カリフォルニア州サンタクララで開幕した「フラッシュメモリーサミット2022」で新製品を公開した。

 

インテルが、元はMicronと共同開発したメモリ技術である「3D XPoint」を採用したSSD、Optaneメモリ事業から控え目に撤退している。

 

・What Legacy Will Money-Losing Optane Have? Adding a tier of memory between DRAM and NAND is now widely seen as a worthy goal

(8月18日付け EE Times)

→3D XPointのバージョンであるOptaneを数年にわたって促進してきた後、Intelが先月、第二四半期の収支報告で、Optaneテクノロジーを放棄するとそっと話した。「ほとんど見落としていた。」と、Objective Analysisのプリンシパル アナリスト、Jim Handy氏が、このあらわし方について。

 

次回以降、「各社・機関の取り組み」、「政府・業界関連の動き」についてご紹介する。

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