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スペシャルインタビュー
2022.07.15
表面用温度測定に特化したオリジナリティのある温度センサ
〜様々なニーズの表面パターンに対応する製品をラインアップ〜
安立計器株式会社
営業部 主任 伊藤 琢哉 氏

■御社が取り組まれている表面用温度センサの概要や主力製品などについてお聞かせください

 

伊藤 : 工業という分野の視点から見た時に、表面というのは本当に色々なパターンが存在します。必ずしも綺麗な表面だけでなく、窪みの先の小さい面だったり、曲面だったり、実際は回転したり動いたりしてるなど、色々な状況が考えられます。このような状況の中で、当社は以前からアプリケーションに応じた温度センサというものを、使用条件に合わせて形状を1つ1つ変えて提供していました。

また、特注品についても得意としており、一品一葉でお客様の要望や、寸法/温度などをお聞きして、「この場合ならこのようなセンサがいいですね」といった提案を繰り返し行っていました。

このようなビジネススタイルを続けていると、業種によるニーズの偏り傾向が見えてくるようになり、そういったニーズの多いものを少しずつ標準化しながら製品展開を進めてきました。そのため、当社の表面用温度センサは、基本的に特注品がベースになっているものがほとんどです。

他社も同じように表面用温度センサを取り扱っている所は色々とありますが、先程もお話した通り表面の温度測定は一品一品色々なパターンがあるので、ラインアップを揃えるには部品管理なども一緒に行わなければならないため、基本的には一般的なタイプの製品のみを提供している会社が多い状況です。そのような中で、当社は表面用温度センサにこだわりをもって、オリジナリティのある製品ラインアップを色々と増やしていき、他社との差別化を図ってきました。

そして、現状のラインアップで代表的な主力製品は、『A形シリーズ』になります(写真1)。この製品は、①ヘッドサイズ、②ガード材質と接触板のコーティング、③パイプ形状と接触板の向き、④熱電対の種類(EまたはK)、⑤パイプの長さ、⑥グリップの有無、⑦コードの種類と長さ、⑧プラグ形状、といった8つの項目が、用途に応じて仕様を選択することができます(写真2)。大きなポイントとしては、先程もお話した「外乱」を抑えるために感温素子を薄くするなど、工夫を凝らしている点が特徴になっています。

写真1 表面用温度センサ『A形シリーズ』

写真2 『A形シリーズ』の仕様選択可能な8つの項目

 

このほかにも、色々なタイプの表面用温度センサを用意しており、お客様の用途に対応した提案を行っています。

また、温度センサだけでなく温度計測器の提供も行っています。主力となっているのが、ハンディタイプの『HD-1000シリーズ』になります。この製品は、ベーシック/スタンダード/高機能/LED/メモリといった5つのモデルを用意しており、高精度/信頼性/使いやすさを追求した多目的に使用できる温度計測器です(写真3)。

写真3 ハンディタイプ温度計測器『HD-1000シリーズ』

 

防水性能IPX5相当(HD-1100/1200/1400)で、大型ディスプレイ1画面に指示値などを見やすく表示します。当社の10000種類以上の温度センサに対応し、従来機種からの誤差要因を極力排除する技術を継承しているなどの特徴があります。

温度計測器についても、温度センサと同様に色々なタイプの製品を用意しており、お客様の用途に対応した提案を行っています。

それから、基本的には温度センサと温度計測器のセットでの提供を行っていますが、温度計測器については現状使用されている他社製品のもので、温度センサのみ当社の製品を使いたいといったニーズにも、プラグ部分のカスタマイズにより対応が可能になっています。

さらに当社は、国際MRA対応のJCSS認定事業者になっており、温度センサや計測器を校正する校正システムの提供も行っています。ただ、校正システムは高価なものなので、校正の頻度がそれほど発生しないお客様については、当社で校正を請け負うサービスを提案しています。

これは、「温度センサ単体」、「温度計測器単体」、「温度センサと温度計測器セット」といった3つのタイプの一般校正(試験)サービスで、成績書や証明書を発行しています。当社製品のみの対応になりますが、製品の修理なども含めサポート体制を充実させています。

このように、お客様に寄り添った様々な提案を行える環境を整えながら、事業展開を進めています。

会社名
安立計器株式会社
所在地
東京都目黒区