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スペシャルインタビュー
2024.04.15
生産設備や生活の安全/安心の向上に貢献する3次元計測/評価システム
〜非破壊による計測から供用適性評価まで一貫して実施〜
株式会社 セイコーウェーブ
代表取締役 新村 稔 氏

■今後の展開についてお聞かせください

 

新村 : 当社は、創業から3次元計測装置の開発を進め、その中でも腐食減肉などといった生産設備やあるいは社会インフラの安全性に関わる部分に注力し、製品展開を行ってきました。今度も、この分野を柱に製品展開を進めていき、今までは配管などが中心になっていましたが、橋梁や溶接線といったところにも“安全性”を1つのキーワードに、ハードウエアとソフトウエアを含めた製品展開をしていきたいと考えています。

そのような中、お客様からのご要望があり、現場でOK/NGの判断ができる100万円以下の3Dスキャナの開発準備を進めています。

現状では、実現に向けた技術の抜本的な改良をしていこうと考えています。それから、海外ではなく国内での生産を考えており、これが上手くいけば量産効果で50万円位になるのではと予想しています。すでに、国内の大学と共同研究を始めており、その大学が有している特許技術も活用できる環境にあるので、ある程度のメドはつけている状況です。それを基に、さらに設計をやり直して低価格の製品開発に活かしたいと考えています。

また、この他にもまだ着手には至っていませんが、当社の新技術を活かしたビジネス展開を色々と考えています。その中の1つが、『防爆対応ドローンシステム』になります。この新技術は当社の特許技術で、2023年6月に取得することができました。

使われる可能性のある場所としては、石油化学コンビナートなどが挙げられます。石油化学コンビナートでは、基本的に防爆認証された機器でなければ使用することはできない決まりになっています。ただ、そのような場所でもドローンを飛ばしたいというニーズは強くあるので、そのための仕組みを構築しました。

具体的に防爆というのは、爆発させないということが重要になってきます。爆発の要素は、「爆発するための着火性ガスがあること」、「酸素があること」、「着火させるエネルギーがあること」の3つが必要で、どれか1つでも欠ければ爆発は起こりません。当社の『防爆対応ドローンシステム』は、この内の2つを確実に排除することで、石油化学コンビナートでも飛ばすことが可能になります。

現在は、このシステム開発に資金提供していただけるお客様を探している状況です。見つかり次第、着手したいと思っています。さらに、ドローンに搭載する小型軽量の3Dスキャナも開発したいと考えています。

あとは、溶接技術である溶接線の不具合をスキャンしたいと考えており、こちらは他社製品のマイクロスキャナを使用したビジネス展開になっていきます。内容としては、溶接線の出来具合を検査するもので、今までは目視やゲージを使って行われていましたが、記録性や使い勝手が悪いという課題がありました。

ハンディータイプのマイクロスキャナを使うことで、高速スキャンできるため記録性や使い勝手もよくなり、溶接線の品質管理に貢献できます。現在は、ソフトウエアでの解析においてまだ改良する点があるので、開発するための資金調達を当社が担う形で進めています。

このように、新しいビジネスの芽は色々とありますが、1つ1つ実現に向け歩んでいきたいと思っています。

 

本日はお忙しい中ありがとうございました。

会社名
株式会社 セイコーウェーブ
所在地
東京都立川市