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スペシャルインタビュー
2024.04.15
生産設備や生活の安全/安心の向上に貢献する3次元計測/評価システム
〜非破壊による計測から供用適性評価まで一貫して実施〜
株式会社 セイコーウェーブ
代表取締役 新村 稔 氏

■現在の事業展開について概要などお聞かせください

 

新村 : 基本的にはハードウエアの販売だけでなく、解析用のソフトウエアをセットにした販売展開を行っており、ソフトウエア単体での販売も行っています。ハードウエアについては、2011年に開発した第一世代モデルからスタートし、こちらのモデルは現在でも活躍しています。

さらに、2015年には第二世代モデルの販売をスタートし(写真2)、2023年からは第三世代モデルの販売をスタートしています(写真3)。第二世代モデルまでは、ハンディータイプではあるものの必要に応じて一脚などに固定しないと安定的に計測できない場合がありましたが、第三世代モデルはハンディータイプでスムーズに計測することができます。

写真2 第二世代モデルの3次元計測装置『3DSL-Rhino』

写真3 第三世代モデルの3次元計測装置『3DSL-ScanProHD』

 

 

この第三世代モデルについては、海外メーカーからのOEM供給になっています。そして、第二世代モデルまでは当社独自に開発した解析ソフトウエアでしたが、第三世代モデルは日本のソフトウエアメーカーであるUEL株式会社(以下、UEL社)と共同開発した解析ソフトウエアとセットで販売しています。

これは、先程お話したアメリカの法人が吸収合併されたことで、現状では当社独自で開発することが難しい状況になっているためです。ただ、我々としても技術力には自信をもっているので、近い将来には自社で新しい製品を開発していきたいと考えています。

また、当社は製品販売だけでなく、計測受託サービスといったビジネスも行っています。やはり、ハードウエアとソフトウエアを合わせるとかなり高額な費用が掛かるので、大手の企業などでもすぐに購入することは難しいと思います。そのため、最初は近場なら無償で実証実験を行ってサンプルレポートを提出し、購入を希望していただけるお客様については、予算の都合がつくまで有償で行うサービスを実施しています。基本的に、鋼構造物、コンクリート構造物の損傷の詳細な計測/解析/報告書作成のセットで受託を行っています。現状では、月に1回程度で大体2、3日かけて行っています。

このように現状の事業展開としては、ハードウエア/ソフトウエアをセットにした販売をメインに、それぞれ単体での販売も行い、購入を希望される、されないにかかわらず、お客様には計測受託サービスの提案も行っています。

 

■それでは、現状の主力となる第三世代モデルとそれに使用されるソフトウエアについて、特徴などお聞かせください

 

新村 : 第二世代モデルでも使用するソフトウエアに自動画像合成の機能を有していましたが、第三世代モデルではその機能をさらに強化しています。例えば、第二世代モデルで一平米位を測定し、データを作成すると30分程度掛かっていましたが、第三世代モデルでは5分程で作成できるようになっています。

また、第二世代モデルではモノクロのテクスチャーが出ていましたが、第三世代モデルではフルカラーのテクスチャーで出るようになっています。さらに、第三世代モデルはハンディータイプでより広い範囲の測定がスムーズに行えます。

これらが、第二世代モデルとの大きな違いであり、第三世代モデルの大きな特徴になっています。

それからソフトウエアについては、現在2つの製品を販売しています。1つは、第三世代モデル用にUEL社と共同開発した表面形状解析用ソフトウエア『POLYGONALmeister』(セイコーウェーブ版)です。

この製品は、3Dスキャナより取得したデータ(PLY形式等)を、簡単な操作で編集/修正する機能をベースに、様々な形状表面の特徴をカラーマップで表現することが可能です(写真4)。配管エルボー部や鏡板、球形タンクやタンク底板など複雑な形状表面の凹凸を数値化や見える化することができます。

写真4 表面形状解析用ソフトウア『POLYGONALmeister』(セイコーウェーブ版)の画像サンプル

 

もう1つは、株式会社IMCが提供する供用適性評価ソフトウエア『uni-Fitness』です。こちらは、先程お話した日本溶接協会が定めた規格に準拠した製品になります。

製油所や化学プラント等における設備管理をサポートするためのプラント健全評価システムで、圧力設備等の経年劣化状態を破壊力学的観点から評価を行うことによって、設備が安全に供用できるか否かを判定します。これにより、腐食減肉を有する対象物の供用適性評価の実施を支援します。

『POLYGONALmeister』で解析し、その解析データを『uni-Fitness』で評価していく流れになっています。

会社名
株式会社 セイコーウェーブ
所在地
東京都立川市