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スペシャルインタビュー
2024.02.15
環境負荷の低減を目指した 試作品/製品づくりを推進
〜金型設計から射出成形まで一貫してサポート〜
株式会社 ミヨシ
代表取締役 杉山 耕治 氏

■御社の手掛けられた製品や、最近力を入れている取り組みなどについてお聞かせください。

 

杉山 : 私が代表になって色々な新しいことにチャレンジしてきましたが、その中で製品化されたものをいくつか紹介します。

まずは、デザイナーやエンジニア向けに製品化したチョコレート型の立体サンプル『Resiina』です(写真1)。設計者はCADなどで、拡大縮小してものを見てしまうため、実際の大きさを認識していないケースが多くあります。それを何とかしたいと考え、実際に見て、触って、すぐに確認できる立体サンプルを開発しました。

写真1 チョコレート型立体サンプル『Resiina-R』

 

最初に製品化したものは、立体サンプルを大きさ順に並べているもので、確かに便利だったようですがそれほど大事にはされず、あまり受け入れられませんでした。そのため、デザイン性を高めるためにデザイナーと共同で再開発し、チョコレート型を採用しています。この製品は、チョコレートの各ブロックの角がそれぞれR0.2、R0.3、R0.4、R0.5、R0.6、R0.7、R0.8、R0.9、R1.0、R1.2、R1.5、R2.0のR形状でできています(写真2)。また、同じチョコレート型でC面の立体サンプルもラインアップしています(写真3)。

写真2 『Resiina』のR形状

写真3 チョコレート型立体サンプル『Resiina-C』

 

次に、4社で共同開発したロボットKIT『RAPIRO』を紹介します(写真4)。この製品は、手頃な価格で簡単に組み立てられるロボット工作キットです。12個のサーボモータとArduino互換のRapiroメイン基板が付属され、Raspberry Piも搭載でき、アイデア次第で可能性は無限に広がっていきます。当社では、筐体部金型製作と成形を担当しており、開発にはクラウドファンディングを活用しています。最初は、海外からの資金援助がほとんどだったので海外展開がメインでしたが、量産化してからは国内での展開がメインになりました。

写真4 ロボットKIT『RAPIRO』

 

この他にも、色々な製品をベンチャー企業などと共同開発したり、デザインからすべて我々独自に開発した自社製品の展開も進めています。

また、最近力を入れている取り組みとしては、オープンファクトリーの開催です。昭和54年をピークに、約8000社あった葛飾区内の町工場は、1/4の約2000社まで減少しています。町工場が減り住宅化が進み、その中で我々はやっているため、騒音や振動に対して敏感になり工場は運営しづらくなってきています。さらに、デリバリーの良い都内の工場がなくなると、調達困難な部品が出てくるケースもあります。

そのため、我々のやっている仕事を理解してもらう目的で、オープンファクトリー「かつしかライブファクトリー」を開催しています。第1回の開催は9社が参加していただき、当社では金型づくりの工程を体験していただきました。実際に開催してみて、非常に満足度の高い結果が得られたと思っています。

今年は第5回を開催し、当社が取り組む事業を理解していただくため、お米が半分入っているライスレジンを使ったしゃもじのワークショップを行いました(写真5)。第1回の開催では大人の方がほとんどでしたが、今回の開催では子供づれでの参加が多く、大人も子供も評価してくれて良いイベントになったと感じています。

このような取り組みをこれからも継続していき、町工場の価値を向上させていくことで、地域の活性化に貢献していければと思っています。

写真5 ライスレジンでつくったしゃもじ

 

会社名
株式会社 ミヨシ
所在地
東京都葛飾区