
■御社の製品についてお聞かせください
蜂巣 : 当社の製品には、グラス型とモニタ型の2種類のタイプがあり、日本市場ではグラス型が全体の70%を占め、残りの30%がモニタ型になります。
グラス型の初期モデルとなる第一世代は、利き目の比率の多い右眼の視線データのみを取得していました(写真1)。当時は、技術的な問題もあり、両眼ではコストが掛かり電力も消費するなどといったことから、単眼でスタートしています。

写真1 グラス型第一世代モデル『Tobii Pro グラス 1』
また、当時の主流は近赤外線カメラを前に設置していましたが、以前からあった懸念点として「カメラが前にあるとどうしてもそれを気にして見てしまう」といった現象があり、余計な物を見てしまうとデータとして意味がなくなってしまうため、当社のモデルは近赤外線カメラを裏側に設置しています。グラスのノーズ付近に設置しているLEDから近赤外線を照射し、レンズを鏡のようにして、レンズに映った瞳孔を近赤外線カメラで撮って測定しています。
2014年には、第二世代モデルをリリースしています(写真2)。第二世代モデルは、大幅な軽量と両眼の視線データを取得するようになりました。両眼のメリットとしては、やはり単眼より両眼の方が取得するデータ量が多いことが挙げられます。第一世代ではX/Yの座標軸データしか取れませんでしたが、第二世代はX/Y/Zの座標軸データが取れることが、1つの大きな特徴になっています。

写真2 グラス型第二世代モデル『Tobii Pro グラス 2』
さらに、第二世代モデルからは、グラスのフレームに近赤外線カメラやLEDを内蔵させています。邪魔にならないアイデアが色々と分かってきたので、眼球の前にありますがほとんど気にならないように工夫しています。
そして今年の6月に、グラス型の新製品となる第三世代モデルをリリースしています(写真3)。第三世代モデルは、グラスのフレームをなくし、そこに内蔵されていたものをすべてレンズ自体に内蔵しています(写真4)。それにより、今まで以上に視界を遮るものがなくなり、上下左右の画角も広がって、より視線データが豊富に取得できるようになっています。

写真3 グラス型第三世代モデル『Tobii Pro グラス 3』

写真4 『Tobii Pro グラス 3』の構造内容
また、アイトラッキングは直射日光に弱いとされていますが、オプションのG3保護レンズを用意したことで、屋外で行われる計測作業への対応が強化されています。さらに、ヘルメット下でも着用できるスリムなデザインを採用しているので、危険を伴う作業やアクティブなスポーツなど様々な環境で視線計測ができ、幅広い職業や研究での使用が容易となっています。
それから、第二世代モデルとの大きな違いとして、第二世代モデルはPCを使って瞳孔を合わせる作業や録画再生などを行っていましたが、第三世代モデルはAandroid版のスマートフォンを使用した操作が可能になっています。そのため、計測現場にPCを持ち運ぶ必要がなく、より使いやすく簡単に多くの視線データを取得することができます。
次に、モニタ型の製品については、長きにわたりスピード競争があり、当初は1秒間に100Hz程度でよかったものが、2012年には300Hz、2016年には600Hz、2018年には1200Hzと、どんどんサンプリングレートが上がっていきました。また一方では、サンプリングレートはそれほど速くなくていいので、コストを下げてほしいといった廉価版へのニーズもありました。
そのため当社では、ハイエンドと廉価版を同時に販売できるような体制を取り続けています。
現状のハイエンドに対応した製品は、『Tobii Pro スペクトラム』になります(写真5)。この製品は、様々な分野において人の行動やメカニズムを解き明かすためにデザインされたアイトラッカーです。最大1200Hzの高サンプリングレートでデータを取得でき、頭部の自然な動きを可能にし、様々な研究計画や調査シナリオにフレキシブルに対応します。

写真5 スクリーンベース型『Tobii Pro スペクトラム』
また、現状の廉価版として販売している製品は、『Tobii Proナノ』になります(写真6)。この製品は、最小/最軽量を実現し、様々な場所に持ち運びができ、簡単にセットアップして実験を行うことができます。60Hzのサンプリングレートで、「どこを見ているか」を正確に検出することが可能な、視線の停留をベースとした研究/調査向けのアイトラッカーです。

写真6 スクリーンベース型『Tobii Proナノ』
- 会社名
- トビー・テクノロジー株式会社
- 所在地
- 東京都品川区

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