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スペシャルインタビュー
2023.10.15
手作業をなくす自動化に向けたオリジナル製品を展開
〜ユーザーの声に耳を傾け独自構造の製品開発に活かす〜
オーセンテック株式会社
代表取締役 髙田 全 氏

■それでは、主力となるオリジナル製品をいくつかご紹介ください

 

髙田 : まずは、バリ取り機の主力製品である『AUDEBU 1000』から紹介させていただきます(写真2)。

写真2 バリ取り機『AUDEBU 1000』

 

この製品は、先程も少しお話したオリジナル製品の1号機で、当社のスタンダードモデルになっています。見た目は初代から変わりませんが、マイナーチェンジを色々と行って現在は7代目になります。1000mm幅の大物ワークまで幅広く加工でき、バリ取りやR面取りも可能なモデルで、高い集塵性能、メンテナンスの容易さに加え、最新モデルではIoT機能により生産効率もしっかり担保しています。製品内部のギア、空圧機器、摺動部をすべて排除しており、耐久性が格段に向上しています。

また、バリ取り機の新製品として、先日東京ビッグサイトで開催された「MF-TOKYO 2023」(第7回 プレス・板金・フォーミング展)で初展示した『AUDEBU IQNOIA(オーデブ イクノイア)』も、注目製品として紹介させていただきます(写真3)。

写真3 バリ取り機『AUDEBU IQNOIA』

 

この製品は、多くのお客様の声をアイデアに開発した、高い生産性と環境性能を両立させた革新的なバリ取り機(R面取り機)です。主な特徴としては、①新構造の吸着システムにより、吸着力向上と消費電力30%減を実現、②新型の揺動機構を採用することで、広い範囲でも安定した加工が可能となり、4×8サイズにも対応、③自動原点出し機能を標準装備し、またブラシの装着時にブラシの種別を自動で判定、④推奨条件を自動で読み込んでくれるため、段取り時間の短縮を実現、⑤左右のコンベアの駆動方向や速度を個別に設定できるデュアルコンベアにより、異種ワークの同時加工や裏表両面加工、1人作業なども実現できる、⑥メンテナンス性にも配慮した新機構を採用し、ブラシ回転軸は新たにマグネットシステムを採用することで、メンテナンスフリーを実現、などが挙げられます。

次に、洗浄機の主力製品である『AUDEBU Racoon1000(オーデブ ラクーン1000)』を紹介させていただきます(写真4)。この製品は、水道水を利用していることが大きなポイントになっています。

写真4 洗浄機『AUDEBU Racoon1000』

 

一般な洗浄機は、有機溶剤や炭化水素などの薬品を使っているので、使用するには安全面で注意が必要ですし、廃棄するにも色々と手間が掛かり、材質によっては金属が腐食したりしてしまいます。当社の洗浄機は水道水を利用しているので、そのような使用時や廃棄時の問題もクリアできます。

また、今までは完成品などの立体形状のものを洗浄する製品が一般的でしたが、当社の製品はレーザとパンチプレスで切ったものをバリ取りした板金の状態で洗浄しています。そして、イメージでは車の洗車機に近い構造になっています。これには、当社のバリ取り機で採用している「きずを付けずにバリだけを取る」というノウハウを応用するとともに、実際に使用する時は水道水を約60℃に加温しているため、薬品を使わずとも温水による熱の力とブラシの力で、きずを付けずにしっかり洗浄することができます。

やはり我々は機械屋なので、化学反応で汚れを取るのではなく、物理の力で汚れを取るという発想が根本的にあり、それにこだわりをもっています。また、化学反応は気温や湿度によって汚れの取れ方にむらが生じ、微妙な調整などが必要になります。物理の力では、気温や湿度によって汚れの取れ方にむらが生じませんので、このような要因からもこの製品を開発した背景になっています。

そして最後に、ワークロボット『AUDEBU1002 Robot(オーデブ1002ロボット)』を紹介させていただきます(写真5)。この製品は、バリ取り機や洗浄機に利用でき、今まで人が行っていたワークの搬入と搬出を自動で行うために開発しました。

写真5 ワークロボット『AUDEBU1002 Robot』

 

バリ取り機や洗浄機に接続し、カメラが自動でワークの形状や位置、状態を認識して、ロボットアームで部品の向きを調整/集積します。これにより、作業者がバリ取り機や洗浄機の搬入口や搬出口を往復する工数が削減できます。具体的には、人の10倍ぐらいの生産性があり、3人で一日中行う作業を2時間ほどで完了してしまいます。

我々は、SIerとしてロボットシステムを提案しているのではなく、自社製品に付随するロボットシステムの提案を行っており、その中で自社のバリ取り技術を活かすことにより、他社との差別化を図っています。さらに、自社でクラウドサービスも行っており、IoTに対応した自社製品の「稼働状況の見える化」、「不具合状況の見える化」、「収集データのレポート出力」などを実現し、生産性向上や働き方改革に貢献していきたいと思っています。

会社名
オーセンテック株式会社
所在地
神奈川県相模原市南区