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スペシャルインタビュー
2023.12.15
幅広い分野に最適な自動化ソリューションを提案
株式会社 Zen-Sai
代表取締役 五十嵐 俊昭 氏

■御社の手掛けた案件について、いくつかご紹介ください

 

五十嵐 : それではまず、現状ではまだ製品化に至っていませんが、食品関連メーカーからの依頼で進めている「焼鳥串刺機への食材供給」について紹介させていただきます(写真2)。

写真2 「焼鳥串刺機への食材供給」の全体像 (右が串刺機<他メーカー既製品>、左が当社製作部の食材供給ロボット)

 

通常、焼鳥の串刺しはパートの方が並んで専用のトレーに鶏肉を詰めていき、機械で串刺しを行っていますが、以前から「鶏肉を詰める工程を自動化できないか?」いうニーズはあったようです。そこで当社は、既存の焼鳥串刺機に食材を供給するロボットの開発に着手していきました。

焼鳥用の鶏肉は、ただ刺せば良いというわけではなく、肉の筋の向きや皮を通さなければいけないなど、ある程度の決まりごとがあるようです。そうしないと、焼いている時に肉が落ちてしまったりするので、パートの方はその辺を注意しながら詰めているようです。

また、厳密にいうと肉の大きさでも、先の方が小さいと見栄えが良くなるので、そういうこだわりをもつ会社もあるようです。ただ、そこまで厳密に行っている会社は少ないようで、会社によっては刺さっていればOKという感じのようです。

その中で、当社も色々と取り組んでいますが、特に肉の筋を見るのは非常に難しく、現状では肉の形を見て供給するような状況になっています(写真3)。また、最終的に全自動ということは難しいと思うので、例えば4人で行っていたところにロボットを3台入れ、ロボットの調整をしながら肉の供給も行う方を1名配置するような形をイメージしています。

写真3 食材供給ロボットによるピッキング(スカラロボットで食材を把持し、上部にコンベア上の食材を見るカメラ、下部にピッキング後の食材を見るカメラにて検出)

 

将来的には、コンパクト化と高速化を目指しており、現状は調整を進めながら製品化に向け取り組んでいます。

次に、ウォーターサーバーボトルの蒸気滅菌装置を紹介させていただきます(写真4)。この製品は、ウォーターサーバーで使用されたリターナルボトルを、コンベア上で蒸気により滅菌処理を行う装置です。こちらは、ロボットを使用しない装置製作の事例で、このような案件も手掛けています。

写真4 ウォーターサーバーボトルの蒸気滅菌装置

 

 

同じくロボットを使用しない装置製作の事例として、ペットボトルキャップの充填量/ラベル検査装置を紹介させていただきます(写真5)。この製品は、コンベア上で水の充填量やラベルの検査などを行う装置です。中には、ペットボトルのキャップが上手く閉まっていなかったり、キャップへの印字ミスもあり、水の充填量やラベルの貼り忘れと含めて検査ができます(写真6)。

写真5 ペットボトルキャップの充填量/ラベル検査装置

写真6 ペットボトルキャップの充填量/ラベル検査装置の検査画面

 

そして食品関連以外では、エレクトロニクス関連メーカーからの依頼で、電流センサにエポキシ樹脂を充填する装置を手掛けています(写真7、8)。この案件では、今まで人の手で1個ずつエポキシ樹脂を垂らしていたようですが、この作業を自動化したいということで、ロボットシステムの開発に着手していきました。従来は、作業台にただ置かれていた電流センサを、トレー運用にするところからスタートしています(写真9)。

写真7 電流センサへのエポキシ樹脂充填装置の正面

写真8 電流センサへのエポキシ樹脂充填装置の背面(ロボット部分)

写真9 エポキシ樹脂充填を上部から流し込んでいる様子

 

最近では、他の部品でも採用したいということで、トレーの形を変えることにより、柔軟に対応しています。

この他にも、現状進めている案件は色々とあり、その中で展示会を通じてお話をお聞きしたことがきっかけになるケースが増えてきています。そして、実際に対応できるのかということはお話をお聞きするだけでなく、後日作業現場を見学させてもらうか、もしくは作業内容の動画を見せてもらうことで判断しています。

会社名
株式会社 Zen-Sai
所在地
東京都小平市