ビジネスコミュニケーションを加速する
BtoB ニュース専門サイト | ビジコムポスト

スペシャルインタビュー
2022.06.14
工作機械の 性能向上に貢献する 流体せん断技術
〜流体理論を応用した独自の技術で事業を展開〜
株式会社 塩
代表取締役 駒澤 増彦 氏

■御社のコア技術とそれを活かした主力製品についてお聞かせください

 

駒澤 : 当社のコアとなる技術は「流体せん断技術」と呼んでいるもので、この技術に特殊なノズルを組み合わせた主力製品が流体せん断装置『SIO』になります(写真1)。主に研削盤やマシニングセンタなどの工作機械に設置するだけで、現在ご使用の加工液が大幅に性能向上され、優れた冷却効果と洗浄効果を発揮します。

写真1 流体せん断装置『SIO』

 

基本的な機能は、水が撹拌/拡散され、加圧減圧による沸騰も作用し、水素結合が壊れて小さな分子の集合体になり、活性化されたせん断機能水となります(写真2)。このせん断機能水は、水溶性加工液との親和性も良く、表面張力が落ちて狭い部分に浸透し、加工熱の発生源に迫っていきます。

写真2 『SIO』の断面

 

また、加工液が砥石や刃物、ワークにまとわりついて満遍なくかかるので、狙ったポイントにも届き、濡れ性が良く加工液本来の性能を発揮することが可能です。さらに、特殊な内部構造で生成されたマイクロファインバブルの爆発による衝撃波により、砥石や刃物、ワークへのスラッジや切り粉の付着を防ぎ、洗浄能力が高まりドレスサイクルも延長できます。

ただ、これらの機能はあくまでも基本的なもので、加工液の管理などを怠ると必ずしも導入した時と同じような結果が続くとは限りません。また、導入する装置やユーザー側の仕様変更などでも色々と状況が変ってきます。

そのため当社では、ユーザーが使用する装置や様々な仕様を想定し、デモや色々な実証実験が行えるような環境と設備を、当社の工場である秘密基地に整えています(写真3)。さらに、3Dプリンタや工作機械など試作品を製造する装置も導入しているため、すべてここで対応することが可能になっています。

写真3 秘密基地に設置した工作機械

会社名
株式会社 塩
所在地
東京都八王子市