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スペシャルインタビュー
2022.07.15
ソフトウエアを中心とした新しい形でのロボット活用への取り組み
〜ユーザーニーズの複雑化に対応する研究開発を推進〜
株式会社 メディアロボテック
代表取締役 金沢 勇 氏

■ロボット事業について、現在取り組まれている事例などお聞かせください

 

金沢 : まずは、東京都立大学と共同で研究を進めている「RTK測位を活用した屋外向け高精度自動走行ロボット」になります(写真1)。こちらは、RTK測位を活用して±2cmの精度で自己位置を特定し、事前にプログラムされた経路を高精度で自動走行するロボットです。

写真1 「RTK測位を活用した屋外向け高精度自動走行ロボット」

 

次に、エアマイクロ自動内径測定器を製造されているメーカーからの依頼で、研究を進めている「エアマイクロ自動内径測定器」になります(写真2)。こちらは、従来人手で行うための測定器を、ロボットアームを使用して自動化するためのシステムです。すでに、デモ機を展示会にも出品していますが、現在はコロナ禍の影響などで一時中断している状況です。

写真2 「エアマイクロ自動内径測定器」

 

それから相模原市には、さがみはら産業創造センター(略称:SIC)というインキュベーションセンターがあるのですが、その施設内にさがみはらロボット導入支援センターが入居しており、そこからの依頼でセンター内に設置するデモ機として「インピーダンス制御(力制御)を利用したシステム」を開発しています。

こちらは、トルクセンサ内蔵のロボットアームやロボットアーム+力覚センサを使用し、インピーダンス制御(力制御)を利用したはんだ付けシステムなど各種システムを開発しています(写真3)。ビジョンだけに頼らず、対象物からの力フィードバックを使用することで、人手に変わる様々な作業をロボット化することが可能です。

写真3 「インピーダンス制御(力制御)を利用したはんだ付けシステム」

 

また、ロボット事業に関連して、「さがみはらロボットビジネス協議会」というこの地域の特徴を活かした活動にも積極的に参加しています。

 

■では、「さがみはらロボットビジネス協議会」について、概要や取り組みなどをお聞かせください

 

金沢 : 「さがみはらロボットビジネス協議会」は、“相模原市にロボット事業をもっと活性化させたい”という目的から、ロボットをテーマとしたビジネスの推進を多面的に支援するため2014年に設立し、今年で8年目を迎えています。相模原市内の中小企業、大学等研究機関、金融機関、行政や支援機関で構成され、ロボットビジネス推進のための地域のプラットフォームとして、ロボット産業の活性化に取り組んでいます。

主な活動しては、展示会への出展や企業ガイドブックの作成などによる会員企業のPR(写真4)、市内製造業における技術の底上げを狙ったセミナや勉強会などの開催、他の地域に存在する同じような団体との交流といったことを実施しています。

写真4 会員企業の情報が掲載された『企業ガイドブック』の最新号

 

当社も実際には、ロボット事業をスタートさせる以前のソフトウエア開発事業の頃から色々と携わっていました。そして、2017年に先代の会長から次期会長のお話をいただき、私が2代目の会長を努めている状況です。

近年では次のステップとして、具体的な案件をもう少し引き込む動きをしていこうということから、会員全体ではないのですが秘密保持契約を先に結んでおいて、秘密保持に関わる案件の相談を受けられる体制を、先に構築しておこうという取り組みを進めていました。しかし、コロナ禍の影響により、活動が制限されているような状況が続いています。

そのような中でも、少しずつ活動を再開し始める動きも出ており、秘密保持に関わる案件の相談についても、1件の案件において当社も携わって研究開発を進めている状況です。

会社名
株式会社 メディアロボテック
所在地
相模原市中央区