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スペシャルインタビュー
2022.07.01
コア技術を活かした安心で安全なデジタルピッキングシステム
〜次世代の製造/物流現場に一括したソリューションを提案〜
株式会社 アイオイ・システム
代表取締役 多田 潔 氏

■現在展開されているコア技術を活かしたソリューションや、主力製品などをいくつかご紹介ください

 

多田 : まずは、当社のソリューションビジネスの先駆けとなる『デジタルピッキングシステム(DPS)』を紹介します。このシステムは、表示器を利用したピッキング支援システムで、工場や物流センターの作業者は、表示器のランプが光った場所を確認し、表示された数だけ商品を取り出す仕組みになっています(写真1)。このように、表示器の指示に従って行うピッキング作業は、正確かつスピーディーなピッキング作業を実現します。

写真1 『デジタルピッキングシステム(DPS)』の表示器

 

当社では、「取扱品目」「業界」「課題」「作業方法」の4つの軸から、お客様のニーズに合わせて最適なソリューションや製品の提案を行っています。すべてのソリューションは、組み合わせが可能です。

それから、表示器についてはLEDを採用していますが、LEDの表示器を数多く付けると電気量が多くなるので、電気量を減らしたい時はLED以外の表示器はないかと考えました。そこで目をつけたのが液晶だったのですが、液晶には方向性や明るい所では見えないという欠点ありました。そこで、偶然にもアメリカで電子ブックの研究をされている大学の教授がいることを知り、その教授が起業した会社に技術提携をお願いし、まだ当時では世の中に出ていない「電子ペーパーを利用した表示器」を開発しています。

また、物流の現場では色々と紙やラベルが使われていますが、私はこれらを電子ペーパー化できないかと考えました。ただ、最初に開発した「電子ペーパーを利用した表示器」は、表面がガラス製だったので作業現場ではぶつかったりすると割れてしまう恐れがありました。そのため、表面を割れにくいプラスチックにする開発をスタートさせ、すでにプラスチック化を成功させた実績をもつアメリカの会社に、当社用の試作品を依頼するなど試行錯誤を繰り返しながら行っていきました。

そして、2015年にようやく製品化したのが、見えるRFID『Smart Card』になります(写真2)。この製品は、電子ペーパーを使用したID付きカードで、非接触近接通信(NFC)によりバーコードを含む表示内容を書き換えることができます。スマートフォンでの書き換えも可能で、充電はスマートフォンから行えるため、電池レスを実現しています。

写真2 見えるRFID『Smart Card』

 

また、汚れた場合は洗うことも可能です。紙ラベルの消費や廃棄による環境負荷を削減し、さらに消費電力の大幅低減に貢献します。表示させたいバーコードは、ほとんどのハンディターミナルで読み取れるため、既存のシステムへすぐに導入することが可能です。

現在、物流関連の様々なシーンに利用してもらうための取り組みを色々と進めており、例えば作業現場でよく使われている看板への応用なども提案しています。

次に、工場内などを一括管理できる施設/設備運用管理システム『Smart AI』を紹介します。このシステムは、電力の見える化や省エネを可能にする構内デバイス一括コントロールシステムで、電磁/温度/湿度/照度/赤外線などの各種センサと接続し、PCやスマートフォン、タブレット端末ですべての電力を監視/制御するため、スイッチでオン/オフしていた動作は必要ありません。今まで、それぞれ独立して動作していたネットワークを一括管理する仕組みになっており、各種センサのメーカーは特に問わず、すべてに対応することが可能です。

また、省配線ネットワークで接続するため、メンテナンスも容易に行えます。構内管理やセキュリティ管理用の設備投資に莫大な費用をかけることなく、低コストで同じ機能を導入することができます。工場内だけでなく、ビル管理などにも応用することが可能で、基本的に全世界の規格に準拠しており、その他にも様々なシーンに利用できる可能性を秘めたシステムだと考えています。

次に、表示器を使用せずにカメラを利用した映像投影でピッキングを指示する『プロジェクションピッキングシステム(PPS)』を紹介します(写真3)。間口が小さく表示器が設置できない部品や商品の保管棚や、ロケーションが頻繁に変更される保管棚などはもちろん、FAの運用にも最適なピッキングシステムになります。

写真3 『プロジェクションピッキングシステム(PPS)』

 

画像処理技術を応用し、様々な形状の棚やラックに合わせ柔軟に構築できます。また、要望の多い作業ミスを減らすためのポカヨケ機能も搭載し、工場の組立ラインや物流センターでのピッキング作業に貢献します。

こちらのシステムも、最新の画像処理技術をさらに応用することで、新たな可能性が見えてくると考えており、現在色々な取り組みを進めている状況です。

最後に、当社の最新ピッキングシステムである『シャッターアソートシステム(SAS)』を紹介します(写真4)。このシステムは、シャッターを利用してポカミスを激減させます。シャッターの角度/速度/遮断時間などを設定でき、作業内容に合わせて簡単に調整可能です。

写真4 『シャッターアソートシステム(SAS)』

 

また、NFC通信で各種設定ができる最新機能を搭載し、スマートフォンで簡単に各種設定ができ、表示器がオフラインの状態でも設定可能です。衝突時などの安全にも配慮し、シャッターは通常ロックがかかっていますが、ワンタッチで解除が可能です。

会社名
株式会社 アイオイ・システム
所在地
東京都大田区