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テクニカルレポート
2026.09.29
Glass PKG実装技術、電子部品への応用
Grand Joint Technology Ltd.
大西 哲也

①実装学会や展示会で話題のGlassパッケージ技術

ガラスは優れた耐熱性と耐薬品性、高い透明性と非常に滑らかな表面、剛性、寸法安定性、非吸湿性を有し、昔から多くのエレクロニクス関連を含む工業製品に使用されている。

エレクトロニクス分野では、ガラス材料は真空管、ダイオード、ハーメチックデバイスなどから始まって表示用素子やカメラ関連、基板としてはRF用受動素子、センサーを含むMEMS部品、フォトニクス分野、アンテナ、メディカル用途などで、すでに実用化されている(表1)。

表1 ガラスとガラスPKGの用途例

 

この数年は、ガラスをAI用途HPC(High Performance Computing :ハイパフォーマンス・コンピューティング)とCPO(Co-Packaged Optic光電融合)などのフォトニクス分野などに応用するため、実装学会や展示会で、Glass PKGセッションでは人が多く集まり、大きな話題を集めている。

実装技術に関しては、信頼性、不良率、コスト低減も含めた量産化・実用化に関連するテーマで発表されている。

 また、サプライチェーンを含めたアライアンス的な提案もドイツ、台湾でなされている。

ガラスインターポーザ、ガラスコアを用いる半導体実装用ガラスPKGでは、表示用素子とは異なり、両面メタル配線ガラスコア、High AR(アスペクト比)TGV、小径TGVビア形成、両面ビルドアップ層も必要になり、その実現には課題も多いが、それを順番にクリアしている。

表2にジョ−ジア工科大学のRao Tummala先生が以前から示されている、有名なガラス素材の特性比較表を示す。

表2 ガラス素材と他材料の特性比較 Prof. Rao R. Tummala

 

現在の課題を確認すると、10年以上前の表2の示す内容と、基本的課題は、ほとんど同じ状況であるが、解決策提案が順番になされ、あと2、3年で一部で実用化が始まるとされている。

そのため、今、ガラス実装を始めないと、2、3年先、ないしは2030年のガラスコアのビジネスへの参入が厳しく、材料、装置、加工、半導体実装の各社が、世界中で投資を始めている状況である。

各種の提案がなされているが、実装する半導体の特性によって、対応できるガラスコアの設計ルール、材料、工法がバラバラになるので、課題事項がさらに増えていくことも懸念される。

ガラスPKGに注目した、まとまった大きな研究会や本などは日本だけでなく世界的にもほとんどないが、世界中の大きな学会の中でガラスPKGセッションの企画がこれから進む。 Glass PKGに関する学会などでの個々の論文発表は、2010年のジョ−ジア工科大学のガラスインターポーザを筆頭にして歴年のECTC(Electronic Components and Technology Conference)などの学会や、2024-2026年JIEPエレクトロニクス実装学会ICEP(International Conference on Electronics Packaging)Glass PKGセッションなどで、多く発表されている。

ガラスPKG対応の日本の材料、日本・欧米・台湾・韓国の工程設備などが注目を浴び活況である。

今、AIデータセンターで一番困っているのは、電力の課題である。ENB(Energy per bit)という討議がペンシルバニア大学からなされており、有機基板のチップレット構造では、0.78pJ/bitだったものが、ガラスインターポーザを使うと、0.36pJ/bitとなり、さらに3D Glass内蔵型になると11.2fJ/bitになるといった算出もされ、ガラスを採用することで、ENBが大きく低減できれば、ガラス材料の市場が広がることも期待できる。

 

②Glass PKG関連の学会での発表テーマの推移

最近のECTC2025&2026でのGlass PKGに関するテーマ(表3、表4)からその用途推移や課題がよく分かる。

表3 Glass TGV paper @ ECTC2025

表4 Glass TGV paper @ ECTC2026

 

ECTC2025では反りや応力に関するものがある。これが実は、今話題のAI用HPCのインターポーザやサブストレートとして、ガラスが注目されている一番の目的である。低反り、低吸湿&低CTE、高剛性で寸法安定性を保持する特性が、HPC用の大きなサイズのインターポーザやサブストレートに大きな半導体ダイを実装する際にとって重要になっていることを示す。

ECTC2025では、ビルドアップ層の応力が背割れSewareと呼ばれるガラス内水平クラックを引き起こす課題、ガラスのシングレーション、ガラスとビルドアップ絶縁層との密着性などの信頼性に及ぼす影響などがテーマに上る。

ガラスの光電融合Co-Packaged Optics(CPO)への応用も話題となり、ECTC2026(表4)ではCPOフォトニクス関連の発表がさらに増え11件にも及ぶ。信頼性関連では、16件もの発表があり、ガラスコアの実用化段階が近づいていることを示す。

合計では52件もの発表件数があり、ガラスPKGへの期待の大きな波が来ていることが分かる。

2024-2026年、ICEP実装国際会議でもGlass PKGが話題を呼んだが、ICEP2025国際会議では3つGlass PKGセッション(計12件の発表)だったものが、ICEP2026では4つGlass PKGセッション(表5-1、表5-2)に増え、ドイツや国内からのパネルレベルの量産対応技術や信頼性評価についての講演があった。各セッションの参加者が200‐300名もあり、実用化技術や課題事項などが確認できた。

表5-1 ICEP2026 Day 2 April 16 THU AM

表5-2 ICEP2026 Day 3 April 17 FRI PM

 

日本の技術の完成度も高まっており、来年のICEP 2027@札幌(図1)でも、ガラスPKGセッションが企画される。

“Energy-Efficient AI : From Computing to Systems and Applications.” をテーマとして、台北で2026年10月にTPCA基板関連展示会と同時開催されるIMPACT-IAAC2026実装研究会(図2)でも、ガラスPKGが注目されており、5つのセッションで、17件以上の講演がある(表6)。

図1

図2 IMPACT 2026 @Taipei

表6 IMPACT 2026 @Taipei

 

来年2027年9月、ドイツのインゴルシュタットで開催されるEMPC(European Microelectronics and Packaging Conference)実装会議でも、ガラスPKGセッションが企画予定である(図3)。

図3 ドイツのY2027実装会議でのガラスPKGセッション

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Grand Joint Technology Ltd.
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