ロボティクス事業をメインに事業展開している株式会社 クフウシヤ。今回は、同社を設立された経緯や概要と、ロボティクス事業の2本柱である「自律移動型ロボット」と「協働ロボット」の概要や開発事例などについて、代表取締役 大西 威一郎 氏にお話を伺った。
■御社を設立された経緯と概要などについてお聞かせください
大西 : 当社は、2014年10月に設立した会社で、今年で8期目を迎えています。私は、元々経営に興味があったことから中小企業診断士の資格を取得しており、前職は相模原市役所の外郭団体である相模原産業振興財団に勤務していました。
相模原市は、ものづくりが盛んに行われている地域で、市役所がものづくり企業への支援を行う政策を色々と打ち出し、私たちはそのご案内をする形で展開していました。また、相模原市のものづくりに関するネットワークは、非常に厚く重層的なネットワークが構築されており、私はそうした環境下で諸先輩方に色々とお世話になっていました。そして、そのような諸先輩方から独立を進められたのが、当社を設立したきっかけになっています。
ただ私の中には、どちらかというとコンサルタントや中小企業診断士という立場で、どなたかのお仕事をお手伝いするということよりも、自分で何かものづくりを行っていきたいという考えがありました。私自身、相模原産業振興財団に勤務する前は、IT関連の企業にエンジニアとして勤務した経験があり、相模原産業振興財団に勤務していた時もロボットをソフトウエアで制御するロボットミドルウエアに関する事業の支援を担当していました。
相模原市は、国や神奈川県が定める「さがみロボット産業特区」の対象地域にもなっており、ロボットに関する取り組みが色々と展開されています。その中でも、私の今までの経験からロボットミドルウエアの分野は、これから需要が増えていくと思っていました。そのため、設立当初は補助金申請書の作成支援や社内プロジェクトの立ち上げなどを支援するコンサルタント事業からスタートしましたが、徐々にロボット関連事業にも舵を取り始めていきました。
そして現在では、ロボット用のソフトウエアプラットフォームであるROS(Robot Operating System)をメインにしたロボティクス事業が全体の6割を占める形となり、コンサルタント事業は3割で、残りの1割は前職で携わっていた仕事の流れで行っているアニマル事業になっています。
また、当社の拠点となる本社は「さがみはら産業創造センター(通称:SIC)」内に設置しており、社内は整理整頓された感じではなく、社員みんなの意見を取り入れ、大学院の研究室を想わせるような感じでロボットが色々と置かれてワクワクするような雰囲気を出しています。
他には福島県南相馬市にある「福島ロボットテストフィールド(通称:RTF)」内に南相馬事務所を設置しています。実は、南相馬市も国が定めるロボット特区の対象地域になっており、相模原市と南相馬市は人事交流や情報交換などを頻繁に行っている関係で、「相模原市にある企業が南相馬市にいったり、南相馬市にある企業が相模原市にいってみるのも面白いね」といった話がもち上がり、その第一号として私が名乗りを上げたことが、南相馬市に事務所を設置した経緯になります。
RTFは国が手掛けている施設で、ディズニーランド2つ分の大きさがあり、ロボット実証が行える施設としては世界でも最大級なものになっています。その中の一角にインキュベーション施設があり、そこに2021年7月から入居しています。南相馬事務所では、相模原市の本社と同じようにロボットの研究開発に取り組んでいます。
そして、現在の主力となるロボティクス事業は、大きく分けて自律移動型ロボットと協働ロボットの2本柱でビジネスを展開している状況です。
- 会社名
- 株式会社 クフウシヤ
- 所在地
- 相模原市緑区
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