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スペシャルインタビュー
2022.07.15
ソフトウエアを中心とした新しい形でのロボット活用への取り組み
〜ユーザーニーズの複雑化に対応する研究開発を推進〜
株式会社 メディアロボテック
代表取締役 金沢 勇 氏

ソフトウエア開発事業とロボット事業の2本柱で事業展開する株式会社 メディアロボテック。最近では、ソフトウエアよりの考えでシステム化を図る同社の概要と事業内容、また最近注力しているロボット事業に関する研究開発などについて、代表取締役 金沢 勇 氏にお話を伺った。

 

■御社を設立された経緯や概要などについてお聞かせください

 

金沢 : 当社は1993年11月、相模原市中央区富士見にて株式会社メディアプラスという社名で設立しています。私自身、大学中退後はソウトウエア関連の会社に就職し、その後フリーのプログラマーをやっていた時期があり、友人と一緒に当社を起業しましたが、のちに方向性が変わったことで、その方は別の道を歩まれています。

また、1998年10月には、相模原市中央区千代田に自社ビルを取得し、本社を移転しています。

設立当初は、ソフトウエアの開発を行う会社としてスタートし、ソフトウエアの分野は広いですが、どちらかというとハードウエアよりのビジネスを中心に展開していました。ハードウエアを何かしら制御したり、センサを使ったり、そういったものをまとめて1つのシステムにしていくようなことを行い、ハードウエアの製造に関しては手を出さず、あくまでもソフトウエアの会社として20年以上そのスタイルを続けてきました。

しかし、近年では色々なロボットに注目が集まるとともに、我々もロボットに関しては簡単な案件しか請け負っていませんでしたが、徐々にお客様のニーズも複雑化してくるようになりました。その中には、ハードウエアだけでなくソフトウエアのボリュームが増える傾向になり、最初はハードウエアを中心にロボットシステムなどを考えていましたが、最近ではソフトウエアよりの考えをしないと解決できないような課題が出てきていると感じるようになってきました。

そのため、当社の方で構想を練るなど取りまとめを行い、それに基づいて当社からハードウエア会社に発注をかけて、つくってもらったものをソフトウエアと組み合わせてシステム化するようなビジネス展開を目指しました。そして、今から5年ほど前の2016年頃から少しずつ、ロボット関連のビジネスに力を注ぎ始めている状況です。

また、ロボット関連ビジネスも展開しているイメージを世に広めていきたいと思い、2019年9月に社名を現在の株式会社メディアロボテックに変更しています。その効果で、ホームページや展示会などを通じてロボットに関する問い合わせが増えてきました。

現在は、設立当初から進めているソフトウエア開発事業と、新たに柱としてスタートさせたロボット事業の2本柱で、ビジネスを展開しています。

 

■御社が展開されているソフトウエア開発事業とロボット事業の概要などについてお聞かせください

 

金沢 : ソフトウエア開発事業については、3次元CADのアプリをつくったり、先程お話したハードウエアが若干絡むようなカメラを利用した遠隔で監視するシステムやETC関連など、何かしらのハードウエアとそれを制御するためのソフトウエアが必要なシステムにおいて、そのソフトウエアの部分だけを請け負うビジネスを行っています。

分野としては製造業だけでなく、医療や教育関連など幅広く展開しています。基本的には、既存のお客様からの依頼がほとんどで、リピートで仕事をいただきながら事業を進めています。

ロボット事業については、ソフトウエア開発事業と違い、ほとんどが新規のお客様からの依頼で事業を進めています。最初は、社内の研究開発的なところからスタートしました。

その内容としては、産業用ロボットを使って、従来の生産ラインで大量生産を行う時の動きよりも、もう少し複雑な動きをさせることなどに取り組んでいます。産業用ロボットは、高速で同じ動きを繰り返すイメージがありますが、それだけではなく、色々なセンサを組み合わせるなどすることにより、例えば人手が介入する複雑なセル生産現場などで、相手の物体の形状が若干不規則なものであったりしてもハンドリングしたりできるような、ソフトウエアが中心となるロボットシステムの研究開発を進めています(図1)。

図1 力制御ロボットを例にした製造現場における役割変化のイメージ

 

このような、ソフトウエアが中心となるロボットシステムの研究開発に目を付けていただいたお客様から、「それを使って、このようなことをやりたいのだけれど、できますか?」といった問い合わせをいただく中で、それをビジネスに繋げています。実際には、今までお客様が取り組んでできなかった案件がほとんどで、当社でも100%できる保証はなく、研究開発をしてでも受けてほしいという形でお話をいただくケースが多い状況です。

ただ、本当に難しいと思われる案件に関してはお受けできないこともあり、8割程度できるだろうという見込みがあればお受けしています。そして、お受けした案件に対しては、いきなり結果に結び付けるのではなく、いくつかの課題を設定し、それをクリアしていきながら結果に結び付けるやり方で進めています。そのため、ある程度の期間をいただくことが多く、1年ごとに課題をクリアしながら現在3年目に入っているような案件もあります。

このような形で事業を展開していますが、現状はソフトウエア開発事業の方がまだまだ主流になっています。しかし、ロボット事業については、これからどんどん需要が増えてくると予測しており、我々が現在取り組んでいる難しい案件についても、クリアさせることでそこから次のビジネスチャンスに繋げられると期待しています。

会社名
株式会社 メディアロボテック
所在地
相模原市中央区