ビジネスコミュニケーションを加速する
BtoB ニュース専門サイト | ビジコムポスト

トピックス
2016.11.29
エリア共焦点光学系による検査技術
CNC画像測定システム コンフォーカルNEXIV VMZ-Kシリーズ
(株)ニコン インストルメンツカンパニー

 

はじめに

  近年のスマートフォンやタブレットPCなどのモバイル機器の普及は、我々に、より快適なクラウドコンピューティング環境を提供しつつある。これら機器の普及は、ユーザビリティ技術、ネットワーク技術そして半導体技術の進歩に負うところが大きい。

 半導体技術では、さらなる高付加価値化のために、回路配線に対するナノメートルレベルの微細化と平行して、半導体パッケージの小型化と高機能化が加速している。その結果によって登場した、CSP(Chip Size Package)による小型化と、SIP(System in Package)による高機能化の流れが顕著である。

 CSPは、保護膜を塗布したウエハ上に再配線やポストなどが林立した内部構造を、そして封止樹脂上にはんだボールが配列された外部構造をもつようになっている。また、SIPは、複数のチップを積層させた内部構造も備え、チップ間やインタポーザ基板との間を、多重のワイヤやエリアアレイ状に配置されたマイクロバンプ、あるいはTSV(Through Silicon Via)などの接続手段で、高密度に接続されるようになっている。

図1 コンフォーカルNEXIV VMZ-K6555

  これらの微細で複雑な構造を備える半導体パッケージの品質を維持するためには、保護塗布膜上の再配線やポストの形状測定、そして封止樹脂上のはんだボールのコプラナリティ測定などが要求されている。また、積層チップの位置度測定や多重配線ワイヤの配線形状や相互の隙間量、そしてマイクロバンプの高さ測定などが要求されている。最近では配線パッドの表面性状測定などが要求されることも多い。

 一方、半導体技術を応用したMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術においても、フォトリソグラフィによる微細加工技術の活用によって、シリコンなどの表面に検出器、処理回路、アクチュエータ、マイクロレンズなどの微細構造物やダイアフラムなどの薄膜構造物を複合的に構築する傾向にあり、薄膜表面形状測定や欠陥の検出、光学素子や半透明保護膜などの低反射材の表面形状測定などが要求されている。

 当社では、これらの測定要求に応えるために、エリア共焦点光学系による高さ測定機能と、従来の明視野光学系による2D測定機能とを組み合わせた『ニコンCNC画像測定システム コンフォーカルNEXIV VMZ-Kシリーズ』を提案している(表1、図1)。

表1 コンフォーカルNEXIV VMZ-Kシリーズ 製品概要仕様

主な測定要求

  従来から、当社では、電子デバイス類の測定は、2D測定の高分解能化とレーザAFの高ロバスト化を図ることで対応してきた。たとえば、QFPのガルウイング状リードの検査では、リード輪郭の2D形状測定とリード断面の倣いレーザAF高さ測定によって、その評価を実現することができた。しかし、半導体パッケージ構造の進化、そしてセンサやMEMS素子などとの複合化により、新しい測定手法の付加が必要となっている。さらにお客様の開発期間や生産リードタイムを短縮する高速測定の実現も併せて必要となっている。

 これらの測定要求に応えるためには、次の性能が必須である。

図2 測定ヘッド光学系基本配置

①高さ測定と2D測定が同レベルの分解能で測定可能であること
②mmオーダの形状を、1μm以下の精度で、短時間に測定可能であること
③1?100%までの異なる反射率の対象を同時に測定可能であること

 

会社名
(株)ニコン インストルメンツカンパニー
所在地