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テクニカルレポート
2016.08.10
SMT実装工程の良品生産システムの提案
パナソニック ファクトリーソリューションズ(株)

 

工程分析ツールの取り組み

この項では当社が取り組んでいる工程分析ツールを紹介する。現在は各工程の検査結果を統計的にまとめたものや、不良の検査画像を紐付けしたものが使われている。

 しかし、それだけでは不良の項目や不良の発生場所は分かっても、なぜ不良が発生したのか、どのように改善すれば良いのか分からない。

 そこで当社は印刷工程と部品装着工程で発生した不良の要因と改善ができる分析ツールの開発に取り組んでいる。

 図6に印刷工程分析ツールの例を示す。当社商品であるNPMのはんだ印刷検査ヘッドで印刷の位置ずれ量、印刷面積を計測して図に示すように管理図、ヒストグラムで表し印刷状態を管理する。そして印刷状態が変動した場合に印刷動作や実装基板情報と連動して要因を絞り込む。

図6 印刷工程分析ツール例

  具体的な事例として図7に印刷位置ずれの要因分析を示す。これはキャリアにFPC基板を4枚貼り付けた印刷位置ずれ状態をシートごとに分析したものである。

図7 印刷位置ずれデータ分析例

  まず、シート4は印刷用マスクの位置合わせ基準としているので、印刷位置の中心座標のずれの要因は印刷機、マスク起因である。そして、シート4の中心座標と各シートの中心座標のずれ量はFPC基板の貼り付けのばらつきである。そして、各シートにおける印刷位置のばらつき範囲はFPC伸縮が要因である。このように不良発生要因が設備、材料(基板)、貼り付け方法と切り分けできる。

 次にマウンタで部品を吸着する工程での不良発生要因としては、図8に示すように設備、部品、作業に大別され、特に設備ではヘッド、ノズル、フィーダに分けられる。

図8 部品吸着工程分析例

  マウンタは部品認識時に吸着状態も検査を行い、異常な吸着状態だと吸着ミスとしてカウントされる。吸着ミスはノズルごと、フィーダごとに集計されるが、ミスが発生してからでは手遅れである。そこで、ミスが発生する前に吸着品質状態を常に管理して、ミスが発生する前に対応しなければならない。

会社名
パナソニック ファクトリーソリューションズ(株)
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