放熱対策
白色LEDとして高輝度化の要求に対応するために、1個の樹脂ケース中に多数個の素子を搭載し、高電流化している商品が出現しているが(図3参照)、PNジャンクションで発生した熱の放熱対策が必要となっている。発熱部品の放熱対策として一般的にはヒートシンク、換気ファン等の空冷の他に、基板自身に冷却水を流す水冷方式等が考案されているが、LED照明商品はその設置場所の制約から、放熱対策も限定されている。
図3 高輝度LEDの例(6個の素子を搭載)
1.熱伝導性基板の採用
LED照明商品で、もっとも一般的な放熱対策として使用されているのがアルミ製放熱基板の採用である。しかし、アルミ基板は熱伝導性にすぐれているが、その他の材料との線膨張係数の差が大きく、後述する熱衝撃試験を実施すると、はんだ部にクラックが発生する事例が報告されている。したがって、回路設計部署と実装部署との連携が図れていない商品では製品寿命が短くなるだけでなく、発煙・発火などの原因になることも予想される。そこで、熱伝導性にすぐれ、かつ線膨張係数に大きく差が生じない基板が望まれる。
熱伝導性と線膨張係数の違いによる不具合の発生を解決するために考案された一例がIMST基板である。IMST基板(図4)ではアルミ板の表面にフィラーを充填された絶縁層が形成されており、熱伝導性を調節することができるとされている。
図4 IMST基板の構造
図5 放熱対策基板
図6 白色LED用多層基板
2.スルーホールの形成
ガラス-エポキシ基板(FR-4)に複数個の穴を開けると、基板の温度上昇を抑制する効果が認められており、LEDメーカーからも推奨基板(図5)が提案されている。
事実、スルーホールを多数設けた基板にLEDを搭載した基板で熱衝撃試験を実施したところ、LEDチップのはんだ実装部にはクラックは発生しないことが確認されている。
3.多層基板の採用
多層基板の内部の銅箔部では水平方向に放熱することが知られている。そこで、インナーの銅箔を厚くした基板(図6)もLEDのジャンクション温度の放熱に効果的である。
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- ソルダーソリューション(株)
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