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テクニカルレポート
2014.07.29
身近に見る環境対応の実態 その2
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部

2.屋上緑化
ビルの屋上を緑化して景観を向上させるとともにビルの断熱効果を狙って実施する例が増加してきている(写真25)。

写真25 屋上緑化(東品川ポンプ所)

写真26 エコ箸の採用

 世界自然保護基金(WWF)が『日本は割箸の大量使用で東南アジアの熱帯雨林を破壊している』とのレポートによって使い捨ての割り箸が国際的に批判されたのがきっかけで、割り箸は環境に良くないとのイメージがもたれるようになった。年間で193億膳(2011年)の割り箸が使用され、98%は輸入品となっている。もともと割り箸は江戸時代に吉野杉の酒樽の端材で作ったのが始まりである。森林破壊でも無駄遣いでもなく、環境に優しい伝統文化であったのである。今も間伐材を使っての割り箸が生産されている4)。
 世界でも有数な森林国の日本は、今や、森が捨てられたまま放置されている状況に近い。間伐は過密した人工林の立木の間引きである。間伐された小径間伐材は利用価値がなく放置されていた。この間伐材を利用することが必要である。使い捨ての割り箸に関しては、森林資源の乱伐とならないように間伐材を利用する例や、成長の早い竹を箸に使う例などが実践されている。間伐材を使用しないで大木を伐採するのはもったいない話である。使い捨ての割り箸を止めて通常の箸を採用するレストランが増えてきている。通常の箸であるがエコ箸の名称をつけて利用者に理解を求めている(写真26)。

長寿命配慮設計

写真27 HDD交換が容易な環境配慮設計の事例

 ノートPCを機能アップして少しでも長く使えるようにするために環境配慮設計は重要である。写真27は、ネットPC用として発売されたものであるが、発売当初は、ネットPCとしての制限があってHDDは160GBの容量が最大であった。しかし、HDDが位置する筐体には裏ぶたがついており、その裏ぶたを2本のねじを外すことによってHDDを簡単に取り外すことができ、160GB以上のHDDと交換できるように環境配慮設計されている例である。まさに機能アップのための設計思想である1)。このネットPCは160GBから1TBへ容量アップして大量のデジタルデータを保存することができるように改善できた。これは裏蓋をつけたことにより簡単に素人でもHDDが交換できるように環境配慮したからである。
 携帯電話の電池は、裏蓋を外せば、簡単に取り外しが可能となり、新しいバッテリーに交換が可能となっている。昔は、はんだ付けされていて、簡単には取り外しができない時期があった。交換できるようにしたのは環境配慮設計に一つである。

 

 

 

 

会社名
特定非営利活動法人 日本環境技術推進機構 横浜支部
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