2.Q&A
以下に、『スーパードライ』についてさらにご理解いただくために、Q&Aを記した。参考にしていただければ幸いである。
●Q1.ウエハ、半導体の脱湿処理のベーキング温度をあまり上げないで、短時間脱湿できないか?
●A1.短時間脱湿に最適な新機種としては『M-Temp』(中温度60℃、超低湿1%)がある。この機種は、半導体の脱湿を目的に開発しており、その特徴は、ウエハの洗浄後の遠心式、N2ガスブローの乾燥方式に比べ、乾燥時間1/2で、脱湿効果は2倍以上(脱湿重量1/2以下)を確認している。いうなれば、生産性向上と品質向上を同時に達成できる製品、となっている。
●Q2.庫内の吸湿対策にN2ガス雰囲気で行っているが、『スーパードライ』との比較=性能、コストは?
●A2.『スーパードライ』0~1%機種と、『ウルトラ・スーパードライ』0%安定保持の場合、N2ガス充満庫内とほぼ同じ吸湿状態であるが、N2ガス連続使用量の価格と『スーパードライ』の電気料金の価格を比較すると『スーパードライ』のほうが割安で、『スーパードライ』の初期導入コストも、使用条件によって異なるが通常1~1.5年で回収することができ、その後はコストダウンに大きく寄与できる。
●Q3.半導体工程中の利用で、収納品の出し入れを含め、扉の開閉が多い場合に適する『スーパードライ』製品はどれか?
●A3.おすすめしたいのは、『ウルトラ・スーパードライ00シリーズ』である。同機種は、通常、扉閉時は庫内湿度0%を保持し続けるが、扉開閉を数回繰り返しても、庫内湿度はきわめて短時間(数分間)約5%程度の上昇(平均値)に留まる。一般的には、短時間の庫内湿度5%程度の上昇であれば、収納製品の品質に影響しないと思われる。この00シリーズ機種の大きな特徴は、01シリーズ(1%機種)の2倍の除湿能力を備えている点で、万全な超低湿度保管に最適な製品となっている。
●Q4.マイクロフィルムの酢酸臭が強いのだが、除去することはできないか?
●A4.『光触媒方式スーパークリーンドライ』機種がおすすめである。キャビネット容積としては、40?~240?の小型機種、及び、大型なもので1,200?を、標準品として用意している。いずれも湿度は50%以下に調節でき、光触媒作用の併用で酢酸臭も順次分解除去される。
●Q5.通常クリーンルームとほぼ同程度を希望するが、どの機種がよいか?
●A5.局所的ミニクリーンとしては、『HEPAクリーンシリーズ』が最適である。HEPAフィルタによる強力ファンにより、速やかに庫内を空気清浄度100クラス以下に保つ製品である(安定時10クラス)。
●Q6.フィーダ保管庫(取付対応)は可能?v ●A6.各社仕様のフィーダ保管庫を受注生産で対応しているので、マウンタメーカー(約10社)ごとの対応が、ご相談の上、受注可能である。
●Q7.薬品・食品の工程中及び、完成品の保管として、常時、温度約20~25℃、湿度5~15%などの特性は調整可能か?
●A7.低温度・低湿度対応の『クール&スーパードライ』が、温度20~30℃、湿度1~30%の範囲で調整可能である。寸法、容量、庫内の温度・湿度をご指定いたければ、見積り、受注生産可能となっている。
●Q8.食品・薬品保管に、18℃~25℃、かつ湿度20~50%を保ちたいが?
●A8.キャビネットに断熱仕様と冷却機種を備えた『クール&スーパードライ』が最適で、型名としては『CSD-1402-01』を用意している。
●Q9.保管条件に適した機種を選びたいが?
●A9.温度と湿度のご希望条件に応じた、最適保存条件の表があるので、保管品に適した機種選定のご参考にしていただきたい。
3.知っておいていただきたい情報
以下に、ぜひ知っておいていただきたい情報を列挙したので、こちらもご参照いただければと思う。
①新開発乾燥機種は、単に性能特性0%安定保持のみならず、消費電力を格段に減少している(これまでの50~80%カット)。ぜひ、ご使用中の低湿庫と比較・ご確認していただきたい。
きわめて理想的な低消費電力の実現は、低湿性能データ(図表)からも明らかであるように、脈動40時間に1回、庫内湿度3%(数分間)上昇するが、この時に加熱再生の電力を消費(最大300W)するものの、平均消費電力は約17Wであるという、画期的な省エネ設計となっている。
②中温度60℃、1%の『M-Temp』乾燥方式は、半導体試料のテストでは、吸湿水の脱水率がきわめて高く、他の遠心式などより短時間で達成している。しかも庫内温度約60℃未満であるので、試料にダメージを与えることがほとんどない。
③乾燥保管にN2ガス方式のケースとの比較では、下記のように大幅なコストダウンが可能である。同方式の製品について、品質管理責任者の方から、『低価格で歩留まり急上昇と大幅コストダウンを実現するもの』として、ご推薦していただいた。そのコメントを以下にご紹介する。
「たかが湿気、と思われがちであるが、実は湿気はとてもこわい、ということがわかってきた。従来、IC パッケージや基板、電子部品はクリーンルーム内に放置されるか、N2ガスや乾燥空気を引いた保管庫で管理されていた。しかし、これらの設備投資や維持費が高いうえ、N2方式では湿気が20%以下に下がりづらかった。また、吸湿してしまったICパッケージ・基板の影響で、多くの直接不良と潜在不良(2~3年後に不良化)が発生し続けたが、これは、吸湿によって起こったボイドやクラックが、熱による酸化促進で配線ショートや腐食などのトラブルを誘導したからであった。費用がかさむわりに、効果が薄い従来の方式と異なり、N2ガスが不要であるため低コストでありながら、効果が高いスーパードライ方式は、低湿性能と省エネにすぐれた製品である」。
- 会社名
- 東洋リビング(株)
- 所在地
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